今季最高の前半から暗転。J王者に5失点敗戦【島崎英純】2021Jリーグ第6節/川崎フロンターレ戦レビュー

©URAWA REDS

素晴らしい前半の内容

 公式戦7連戦を締めくくる一戦。浦和レッズは首位の川崎フロンターレに真っ向勝負を挑んだ。

 前節の北海道コンサドーレ札幌戦からは阿部勇樹と明本孝浩がベンチへ回り、宇賀神友弥と伊藤敦樹が先発に復帰する布陣。システムは4-2-3-1で、トップ下の小泉佳穂がフリーロールで広範囲を動き回ることでビルドアップを活性化させる狙いがうかがえた。

 今回の浦和は各選手の距離を近接させてショートパスを主体にパスワークする姿勢が顕著だった。ファーストチョイスは直近の味方へのパスで、たとえ相手が背後に迫っていても果敢に味方の足元へボールを付けようとしていた。その際の各選手のポジショニングも機敏だった。ボールホルダーに対して縦と横に味方がアプローチしてトライアングルポジションを築き、その三角形の外郭にも味方選手が接近した。

 各選手が近接し、なおかつパスアングルが確保できればビルドアップの成功率も高まる。選手が近接する効能は他にもある。それはボールを失った際のプレスワークをすぐさま発動できる点だ。リカルド・ロドリゲス監督は即時奪回をチーム戦術の幹にしているため、ネガティブトランジションのスピードと精度を高めるのは理に適っている。つまり、選手が近接するのはチーム全体のコンパクトネスを維持する効能をももたらしていて、今季の浦和が目指すチームスタイルの概念とマッチする。

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