前半劣勢を覆した指揮官の機微。同スタイルの対戦は浦和に軍配【島崎英純】2021Jリーグ第9節/徳島ヴォルティス戦レビュー
前半劣勢の理由
究極のマッチアップゲーム。昨季までリカルド・ロドリゲス監督が率いた徳島ヴォルティスに対し、浦和レッズは3戦連続で4-1-4-1システムを採用した。前節の清水エスパルス戦から代わった選手はアンカーの柴戸海から伊藤敦樹のひとりのみ。ちなみにロドリゲス監督は試合後のオンライン会見で柴戸が何らかのコンディションの問題で長い時間の出場が難しかったと明かしている。
ロドリゲス監督は1トップ・武藤雄樹、両サイドハーフ・関根貴大&明本孝浩、両インサイドハーフ・小泉佳穂&武田英寿という機動力のある攻撃ユニットを高く評価している。これに4バックの両サイドバックが攻撃に厚みを付け、アンカーと両センターバックが下支えする構えは最近のゲームの定形で、対戦相手が変わっても、それは踏襲されていた。ただ、試合開始11分前後に武田が相手SBのジエゴと交錯した際に左足首を痛めて途中交代を余儀なくされたことで浦和のゲームプランが狂った。ロドリゲス監督は急遽杉本健勇を1トップで投入して武藤を武田の位置にシフトさせたが、これまでのような1トップと2列目が入れ替わるような縦のポジションチェンジが発動せず、後述する明本のポジショニングも相まって攻撃バランスを激しく崩してしまった。
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