浮き彫りになった3バックチームへの対応。試合終了直前の被弾でドロー【島崎英純】2021Jリーグ第16節/サンフレッチェ広島戦レビュー

©URAWA REDS

サイドバックの位置取り

 リカルド・ロドリゲス監督が前節のヴィッセル神戸戦から代えたスターティングメンバーはふたりだけだった。阿部勇樹から柴戸海、武藤雄樹から小泉佳穂で、つまり神戸戦の後半開始からのメンバーが先発したわけである。神戸戦での浦和は前半劣勢も後半にボールポゼッション率で明らかに挽回して試合展開を一変させ、勝利を得た。ロドリゲス監督はそのときのプレーレベルを評価したのだろう。中3日のゲームが続く連戦の中で徐々に選手間の序列が定まる中で、その成果と選手個々の貢献度を鑑みれば、今節のチーム編成には納得できる部分がある。

 一方で、サンフレッチェ広島戦に対しては留意すべき点があった。それは相手が前節のセレッソ大阪戦から3-4-2-1システムを用いていることだ。今季で城福浩監督体制4シーズン目の広島は4-4-2、もしくは4-2-3-1を主戦システムとしてきたが、伸び悩む成績を踏まえてチーム戦術のリニューアルに着手している。ただし3-4-2-1システムは元々広島がミハイロ・ペトロヴィッチ監督体制時代、森保一監督体制時代に確かな成果を得た伝統の形であり、城福監督体制へと移り変わってもしばらくは用いていたものである。いわば広島は原点回帰を目論んだのであり、そのシステムへの順応度にはある程度の自信を携えていたはずだ。

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