局面勝負で劣った前半、チーム力で挽回した後半。難敵相手にスコアレスドロー【島崎英純】2021Jリーグ第17節/名古屋グランパス戦レビュー

©URAWA REDS

個人勝負で劣勢

 前半は明らかに名古屋グランパスが主導権を握っていた。浦和レッズはいつものように後方から丁寧にビルドアップを仕掛けたが、4-4-2の強固なディフェンスブロックを敷く相手の前に効果的なパスを入れ込めなかった。

 リカルド・ロドリゲス監督は左サイドバックに山中亮輔を起用したが、これは好戦的な姿勢の表れだと感じた。対面には強烈な個人能力を有するマテウスがいるが、ここに山中、そして前方に明本孝浩を配することで相手を自陣へ押し留めたかったはずだ。実際に試合開始直後からの数分間は山中が積極的に敵陣へ打って出ていたし、それは右サイドの西大伍と関根貴大のラインも同様だった。名古屋は左ウイングに相馬勇紀を擁していて、こちらもマテウスと同様にスピードを兼ね備えている。ロドリゲス監督はそんな相手のストロングポイントを受動的に抑え込むのではなく、果敢な姿勢で迎え撃とうとしたのだろう。

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