【コラム】【島崎英純】新エース・ユンカーの神通力と、リカルド体制、成長への道筋

©Takehiko Noguchi

新エース誕生

 5月5日のYBCルヴァンカップ・グループステージ第5節・柏レイソル戦で浦和デビューを果たしてから、リーグ戦5試合5得点、ルヴァンカップ3試合2得点、天皇杯1試合1得点。キャスパー・ユンカーは前評判通りの実力を見せつけ、早くも浦和のエースストライカーとしての地位を確立した。

 汰木康也のスルーパスを受けて浦和での初得点をマークしたルヴァンカップ・柏戦のプレーは、FKボデ/グリムト(ノルウェー)時代に得点を量産したゴールパターンの片鱗が見られた。一旦は相手DFの背後へランニングしながら、鋭い方向転換で左斜め前方を抜けていく。応対した柏DF・田中隼人は急に視界へ現れたユンカーの存在に驚くような仕草を見せて追走するも、距離が離れてアプローチできない。ユンカーが左斜めを駆けたのには確信的な狙いがあった。左利きの彼は、最も体勢を取りやすく、かつ相手GKの届かない角度へボールを入れ込むシュートモーションを思い描いていたのだ。トラップせずに放った左足シュートは綺麗にゴール右下隅に決まり、ユンカーはアウェーの三協フロンテア柏スタジアムで歓喜の雄叫びを挙げて左腕を突き上げた。このワンプレーを見ただけでも、彼のオフ・ザ・ボールの動き出しには目をみはるものがある。

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