山中の帰還後即アシスト、ユンカーのテクニカルゴール。それでも、気になった消極的姿勢【島崎英純】2021YBCルヴァンカップ・プライムステージ準決勝第1戦/セレッソ大阪戦レビュー

©URAWA REDS

斬新なターンオーバー

 リカルド・ロドリゲス監督は思い切ったターンオーバーを採用し、1-5で敗戦した前戦のヴィッセル神戸戦から7人ものメンバーを入れ替えた。システムはFWキャスパー・ユンカーを最前線に配する4-2-3-1で、GKはYBCルヴァンカップのニューヒーロー賞候補である鈴木彩艷。4バックは山中亮輔が約3か月ぶりに実戦復帰して左サイドバックに入り、右サイドバックは日本代表へ招集された酒井宏樹に代わって西大伍が務め、センターバックは槙野智章とアレクサンダー・ショルツのコンビ。そしてダブルボランチは平野佑一と伊藤敦樹のペアで、彼らは今回、ここ最近のゲームとは異なるポジション取りを見せた(詳細は後述)。サイドMFは右に大久保智明、左に汰木康也という逆足を利き足に持つ配備が印象的。また、ユンカーの背後にはトップ下のポジションで江坂任が構えたが、彼は敵陣に定位することなく、自陣からのビルドアップでは頻繁に後方へ降りて前後を繋ぐリンクマン的役割もこなした。

 かたやルヴァンカップ決勝進出を争うセレッソ大阪はクラブ伝統の4-4-2システムを踏襲し、そのメンバーも現状のベスト布陣を敷いたように思われる。特にサイドバックの松田陸と丸橋祐介は3日前のJリーグ第31節・大分トリニータ戦を欠場しており、今試合に照準を合わせたかのように揃って先発出場した。また、このチームの肝であるサイドエリアの優位性を確保するため、右に坂元達裕、左に乾貴士とテクニカルなMFを配備し、若手2トップの加藤陸次樹と山田寛人へ効果的なパス配球する構えを見せた。

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