圧巻の伊藤敦樹。実利を求めて勝利を奪取【島崎英純】2021Jリーグ第36節/横浜F・マリノス戦レビュー

©URAWA REDS

 シーズンも最終盤を迎えると、疲労を蓄積させた選手たちのコンディションに十分留意する必要がある。Aマッチウィークを経て2週間のインターバルを得た中で、浦和レッズはキャスパー・ユンカー、小泉佳穂といった主力選手たちがベンチ入りせず、中断明け後の復帰を目指していた明本考浩も今試合に間に合わなかった。また、負傷を抱えながらも日本代表の海外遠征へ帯同した酒井宏樹もベンチスタートに留まり、リカルド・ロドリゲス監督には慎重なチームコーディネイトが求められた。

 そんな中、浦和は横浜F・マリノスに対してそれなりの戦略を携えていたと思う。それはシステムを見れば分かる。選手の並びは4ー1ー4ー1のような形で、関根貴大は試合後に「4ー3ー3」と説明し、伊藤敦樹は「いつもより前のポジションでプレーした」と述懐している。一方の横浜F・マリノスのシステムは4-2-1-3のような並びで、こちらも簡略化すれば『4ー3ー3』だ。すなわちロドリゲス監督はマッチアップ策を採ったうえで、当初は前からプレスを嵌めて相手のビルドアップを無効化しようと目論んだのだと思う。

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