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相手の注文に嵌るひ弱さ。不甲斐なき敗戦【島崎英純】2021Jリーグ第37節/清水エスパルス戦レビュー

©URAWA REDS

相手のペースに乗る

 試合開始から飲水タイムを迎える20分過ぎまではクローズな展開が続いた。浦和レッズは自陣から丁寧にビルドアップして敵陣へボールを運ぼうとしたが、清水エスパルスはそのパスコースを慎重に消す確実なディフェンスブロックを築いた。

 清水2トップのチアゴ・サンタナと鈴木唯人は積極的な前線プレスを仕掛けなかった。味方が敷く4-4のディフェンスブロックの距離に留意してコンパクトネスを保ち、スペースの排除を目論んでいたからだ。また、清水の堅牢なディフェンスブロックによって中盤が密集したことで浦和ボランチの平野佑一が味方バックラインの位置まで降りる挙動も増えた。本来ならば相手2トップに対して両センターバックとボランチの一角がトライアングルポジションを取りたいが、極端な狭小空間を作られた場合は工夫が必要になる。この際に大事なのはダブルボランチの一角のみが後方へ降り、もう一方は相手2トップの背後に位置し続けるポジショニングだ。ダブルボランチの両者が狭小局面を避けると後傾の度合いが強くなって敵陣で人数を確保できなくなる。その意味では平野とコンビを組んだ伊藤敦樹は的確な位置を取れていた。伊藤は前節の横浜F・マリノス戦でインサイドハーフ的な役割をこなして明確な成果を得ていたため、前方でのプレーメイクに自信を深めつつあるのだろう。平野が後方、伊藤が前方という役回りは両者の個性を鑑みれば適切な関係性だと感じる。そんな中、アレクサンダー・ショルツと伊藤が構えた左サイド付近からのビルドアップは前進力を見せられたが、岩波拓也と平野が主にカバーした右サイドからのパスワークは停滞した。試合全体のスタッツを見ても浦和は左サイドからの攻撃構築に偏っていたことが分かる。ただし左サイドバックの山中亮輔は相手守備網に蓋をされる形で窮屈なプレーを強いられ、彼がボールロストして攻守が転換する場面も相次いだ。また、右サイドバックの酒井宏樹は通常よりプレー精度が低く、同サイドのビルドアップ閉塞も相まって攻撃を促進できなかった。その結果左MFの田中達也が孤立化する現象も起き、浦和は攻撃時に清水が実行するスライドディフェンスの餌食になってボールの出し処を見失うシーンが頻発した。

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