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岩尾憲、チームを束ねる男【日々雑感−2022沖縄キャンプ編】

©Uraken plus

懐刀には収まらない

 リカルド・ロドリゲス監督が4シーズンに渡って率いた時代の徳島ヴォルティスのプレー映像を観てから、ずっと気になっていた選手だった。岩尾憲は正真正銘のチームキャプテンであり、スペインの知将が試みる『ポジショナルプレー』を熟知してそれをピッチ上で体現する、文字通りの懐刀に見えた。

 2022シーズン、浦和レッズはその岩尾を徳島からの期限付き移籍で獲得した。チームが始動した1月15日のトレーニング終了後に設定されたオンライン会見で、ロドリゲス監督は岩尾のことをこう評している。

「私のサッカーのアイデアを一番理解している選手です。そして、それを理解して自分がプレーするだけではなく、周りを整えることができる選手です。それに期待しています。また、リーダーシップや闘う部分も含めて、私が選手に求めることの全てを持っている選手だと思います。クラブとしても、戦術だけではなくリーダーシップを発揮できる選手がいることは大事ですので、そこも獲得の理由の一つでした」

 一方で、意外にも、岩尾は今回の移籍に際して事前にロドリゲス監督とコンタクトを取ったり、何らかの会話を交わすことすらもしなかったらしい。それは新加入会見の場で岩尾自らが明かしている。

「実を言いますと、未だにリカルド監督とは一度も言葉を交わしていないので(笑)」

 沖縄キャンプで感じた岩尾の第一印象は『柔和』だった。新加入選手らしく慎ましい雰囲気を纏っていたが、豊富なプロ経験を積み重ねてきた重厚な年輪も感じさせる。トレーニング時の厳しい表情と、その合間に見せる笑顔が対照的なもので、物事に動じない落ち着いた人物像を想起させる。

 しかし、表面上からうかがえる印象は彼の性格の断片的な部分しか示していない。例えば恩師とも言えるロドリゲス監督との接し方について、彼はただ寄り添うばかりでなく、時には葛藤も抱えながら真剣に向き合ってきたという。

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