熱を帯びるリカルド監督の“講義” 2022沖縄キャンプ・6日目午前/トレーニングレポート『パターン、そして白熱する議論』【島崎英純の眼】

2022年1月22日(土) 

沖縄県・金武町フットボールセンター

天候/雨のち曇り 気温/19度

©Uraken plus

戦術の深み

 9時28分に練習が開始された。これまでと同じく淀みなくウォーキングアップが続く。キャンプも6日目を経過して、多少選手の動きにも疲れがうかがえるだろうか。選手同士の掛け声は未だにまばらなままだ。破天荒な性格な者が見当たらないとはいえ、背中で見せるタイプが並ぶと静けさが際立つ。ただ、それでも実は、このチームに覇気がないとは思わない。例えば小泉佳穂は本番の場に立てば顔を歪めてボールを追うし、関根貴大も対面の相手と丁々発止の駆け引きを施す。岩波拓也は一切物怖じしないし、昨季の伊藤敦樹は新人らしからぬ風格を醸していた。平野佑一や柴戸海の冷静さはむしろ頼もしく、徳島ヴォルティスからやってきた岩尾憲もまた、その沈着ぶりが凄みをもたらす。

 ミニゴールを4つ設置したミニゲームを挟んだ後、リカルド・ロドリゲス監督の指導が入った。しきりに『パシージョ!』と叫んでいる。ビブスを着た8人が3ラインを築き、その間に攻撃役の6人が配備されている。この訓練の主眼はサイドアタックを浴びた際の守備で、特に『パシージョ』でラインブレイクされた後のポジション修正と、相手クロスの入射角度に則した各人の立ち位置とライン感覚の把握にあるようだ。

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