【コラム】馬渡和彰−リカルドの申し子、香車から成り代わり、金将の趣【日々雑感−2022沖縄キャンプ編】

©URAWA REDS

もうひとりの頭脳

 一つひとつの質問に聞き入り、その都度頷きながらその意味を解釈して懇切丁寧に応える。同じく今季新加入の岩尾憲も理路整然と言葉を紡ぐ聡明な人物だが、馬渡もまた言語能力が高く、自らの考えを的確に表現できる。

 馬渡は市立船橋高校から東洋大を経て、J3のガイナーレ鳥取でプロキャリアをスタートさせた。その後はJ2のツエーゲン金沢、そして当時リカルド・ロドリゲス監督が率いていた徳島ヴォルティスに在籍し、2018シーズンにサンフレッチェ広島へ移籍して念願のJ1デビューを果たした。その後も川崎フロンターレ、湘南ベルマーレとトップカテゴリーで試合出場を続けた彼は昨季、J2で下位に低迷した大宮アルディージャで一人気を吐き中軸としての役目を全うした。

 J3、J2、J1と一段ずつキャリアアップしてきた道のりには幾多の歓喜と、そして辛苦も含まれていたはずで、その人生経験が彼の性格を正しい方向性で熟成させてきたように思える。

 そんな馬渡は今季、浦和で2シーズン目の指揮を執るロドリゲス監督から請われて再びJ1の舞台に戻った。彼は新加入記者会見の場で浦和のユニホームを身に纏うことの重要性を十全に理解したうえで、こんな不退転の決意を述べている。

(残り 2971文字/全文: 3566文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

1 2
« 次の記事
前の記事 »