坪井慶介:『浦ツボ-Tsubo’s Target』第8回−『FUJIFILM SUPERCUPの雑感と京都戦展望』

©Takehiko Noguchi

素晴らしいパフォーマンス

 『FUJIFILM SUPERCUP2022』での浦和レッズは、僕が当初予測していたよりも良いプレーパフォーマンスを発揮できていたと思います。そもそもリーグチャンピオンの川崎フロンターレに勝利してタイトルを獲得できましたし、その試合内容も非常に手応えを感じるものでした。

 今季の浦和はチーム陣容が様変わりしたことで、その影響を危ぶむ向きもありましたが、『FUJIFILM SUPERCUP2022』では戦術面がしっかり整備されているように見えました。それは先発した新加入選手がMF岩尾憲とDF馬渡和彰のふたりだけだったことと、このふたりが以前にリカルド・ロドリゲス監督体制下の徳島ヴォルティスでプレーした経験があったことに要因があると思います。他の既存選手も含めて、川崎戦での浦和は全選手がロドリゲス監督のサッカースタイルをある程度理解している。それが戦術遂行のうえで好影響を与えたのだと思います。

 攻撃面については、先制点のシーンは相手陣内のスローインから混戦を制して酒井宏樹が突破を図り、クロスから江坂任が右足でゴールを決めました。僕はスローインもセットプレーの一種だと思っているので、そこからしっかり点を取れたのは大きいと思います。

 僕の印象では、酒井が頻繁に右サイドからグイグイとボールを運ぶ姿を久しぶりに観られたと思っています。昨夏に浦和へ加入してからの彼は前所属のマルセイユ(フランス)、浦和、そして日本代表と多くの試合に出場していたことで疲労も抱えていたと思いますが、オフシーズンを挟んで今年に入ってからはコンディションが良さそうに見え、関根貴大との縦の関係にも安定感がありました。

 また、敵陣深くで厳しくプレスを掛けて相手ゴールへ向かう姿勢は昨季から継続されているもので、そのプレーアクションも得点という成果を導いたのでしょう。その意味でもこの先制点は意義のあるものでした。

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