劣勢からの反撃。ホームで見せた気高い精神と、貴重な勝ち点1【島崎英純】2022Jリーグ第14節・鹿島アントラーズ戦レビュー

©Takehiko Noguchi

対鹿島専用の戦略

実にリカルド・ロドリゲス監督らしい戦略である。首位の鹿島アントラーズに対して用いた策は3-5-1-1システムの採用だった。GKは西川周作。リベロに岩波拓也を置き、右ストッパーにアレクサンダー・ショルツ、左ストッパーに明本考浩。両翼の右・宮本優太と左・関根貴大はもちろんバックラインに定位するだけでなく前へも進撃する中で、中盤の構成はアンカーに岩尾憲を据えたうえで右に伊藤敦樹、左に柴戸海を擁してトリプルボランチ気味の陣形を成した。そして攻撃の担い手はトップ下・江坂任と1トップ・キャスパー・ユンカーのふたり。まずは、この浦和のシステムの意図について考察してみたい。

鹿島のフォーメーションはクラブ伝統の4-4-2だが、スイス人のレネ・ヴァイラ-監督は選手たちに単純なポジションを取らせない。中盤は樋口雄太のアンカーとディエゴ・ピトゥカのトップ下のように見えるし、2トップの鈴木優磨と上田綺世は前線に張り続けているわけではない。特に鈴木は頻繁に左サイドへ開いてボールを受け、それに呼応して左MFのアルトゥール・カイキが浦和ゴール方向へ侵入するプレースキームを見せる。鹿島の特徴であるサイドバックのオーバーラップはそれほど頻繁ではないが、それでも相手ボール保持時のプレスワークで高い位置を取ることで安西幸輝と常本佳吾がそのタイミングを図る仕草は顕著に見られた。

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