移り変わるダイレクトプレーへの傾倒。浦和、アウェーで痛恨の敗戦【島崎英純】2022Jリーグ第15節・セレッソ大阪戦レビュー

©Takehiko Noguchi

新たな組み合わせ

2試合の連戦が続く浦和レッズは、4試合ぶりのアウェーで新たな布陣を組んだ。4-2-3-1のシステムでGKは西川周作、4バックは右から宮本優太、アレクサンダー・ショルツ、岩波拓也、大畑歩夢のセット。ダブルボランチは今季初めて平野佑一と岩尾憲がパートナーを組み、右MF・関根貴大、左MF・アレックス・シャルク。トップ下に小泉佳穂を擁し、1トップにはキャスパー・ユンカーを据えた。注目は平野と岩尾のポジショニングとコンビネーション、そして初めてスタートから左サイドに入ったシャルクの挙動である。

序盤の浦和はダブルボランチ以下の陣容が後傾だと感じた。セレッソ大阪も浦和と同じく4-2-3-1布陣が敷かれる中で、1トップのアダム・タガートとトップ下の清武弘嗣が浦和センターバックへアプローチし、両サイドMFのジョアン・パトリッキと毎熊晟矢はインサイドへ絞りながらも若干構える形を採っていた。これに対して浦和はGKの西川、そしてショルツと岩波の両センターが後方起点となり、ボランチの平野と岩尾も積極的にビルドアップに関わる姿勢を見せた。これ事態は特に問題ないのだが、ダブルボランチのどちらかが相手1トップ+トップ下の背後スペースへ入る中で、もう一方はできるだけその前方、相手ダブルボランチの横、もしくは背後にポジションを取りたかった。前半の浦和はこのボランチの縦関係がなかなか確立されず、前線攻撃陣と後方との距離が離れてスムーズなパスワークを施せなかった。

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