旅猫by浦研プラス&欧研プラス

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ヨーロッパ移住への道!⑤ 『ビザの問題』

 現在、日本国政府によって発給された日本国旅券(パスポート)を所持している日本国民が短期滞在を目的として外国に入国する場合、ビザなし、あるいは到着時のビザ取得で入国可能なのは193の国と地域です。ただし、その滞在可能日数は国や地域によって違いがあります。例えば韓国や台湾は90日以内ですが、中国はなんと15日以内の滞在しか許されていません(商用ビザなど、個別に発給されたビザは異なります)。ヨーロッパもそれぞれの国によって条件が異なるのですが、ビザ無しで入れない国の代表としてはロシアがあります。逆に滞在期間が長く設定されているのはイギリスで、こちらは6ヶ月以内と定められています。
 さて、それではドイツはというと、ドイツは1985年に署名された『シェンゲン協定』が適用されるヨーロッパの26の国の領域に定められています。シェンゲン協定とはヨーロッパの国家間において、国境検査なしで国境を越えることを許可する協定のこと。その加盟国はドイツの他にフランス、スペイン、ベルギー、オランダ、イタリア、ポルトガル、オーストリアなど、ヨーロッパの主要国が名を連ねています。例えば日本からシェンゲン協定に加盟している国の領域へ入国すると、ここで入国審査が行われ、以降はシェンゲン圏の地域から出国しない限りは入国審査が免除されます。具体的にはドイツからスペインへ飛行機で渡航した場合でも国内線と同じような扱いで、パスポートコントロールを通過する必要がないということです。
 旅行者にとっては快適に思えるシェンゲン協定ですが、こちらの滞在可能日数はややこしいです。規定では『あらゆる180日の期間内で最大90日間』と記されていますが、一見すると何だかよく分かりません。かいつまんで説明すると、180日間というと約6ヶ月のことですから、その6ヶ月の間に90日間しか滞在できませんよということです。ただ、ここで大きな勘違いをしてしまいがちですが、だったら滞在90日間を過ぎる直前に一旦日本へ帰国して、翌日にまたシェンゲン圏の国へ入国すれば再び90日間滞在できると思いがちですが、これはダメなんです。なぜかというと、1日だけシェンゲン圏から出ても、その人物は過去6ヶ月の間に90日近く滞在していると見なされ、再入国してもそのカウントが続いているからなんです。このケースの場合、今後6ヶ月の間ヨーロッパへ入国しなければ滞在日数がゼロに戻り、再び90日間の滞在が許されます。ああ、本当にややこしい。
 要約すると、ビザ無しでの短期滞在でドイツへ入国した場合は90日以内に必ず出国しなければならず、その後は180日の間を空けて入国しなければ再び90日間の滞在が許されないということです。つまりドイツに3ヶ月滞在して日本で6ヶ月過ごすサイクルになるのですが、こうなると、もはやヨーロッパ移住ではなくなりますよね…。
 そこで、ヨーロッパへ移住しようとする方は1年、もしくは1年以上の滞在許可を得られるビザ取得を考えるわけです。ただ、各国によって異なる条件となる各種ビザを取得するには、幾つもの困難を乗り越えねばなりません。そこで次回は、僕がドイツでのビザ取得を決めた理由と、その悪戦苦闘の過程をお話します。