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ヨーロッパ移住への道!12 『ドイツの銀行口座開設は大変!』

 ドイツ・フランクフルトの住居が決定し、住所登録も終えた僕。さて、次はドイツの銀行口座開設にトライします。ドイツでは国内の銀行口座を持っていないと、実はほとんどのことが滞ります。例えば滞在許可証(以下、ビザ)取得には必須となるドイツの健康保険加入が、ドイツ国内の銀行口座がないとできないんです。ドイツの健康保険については次回以降に説明しますが、公的なもの、民間のものと種類が多岐に渡る中で、いずれにしても各保険料はドイツ国内の銀行口座から引き落としされるシステムになっていて、日本国内の銀行口座では加入手続きすらできません。また細かいところでは、住居内のネット環境構築のためにインターネットのプロバイダーと契約したり、ドイツキャリアの携帯電話のSIMカード(簡潔に説明すると、加入者を特定するためのID番号が記録されたICカードのこと。プリペイドカードについては事情が異なるのですが、こちらについては別の機会に)を購入することもできません。
 というわけで、ビザ取得のための次の段階として、ドイツの銀行口座取得は避けて通れない作業なのです。しかし! なんとドイツの主要銀行の大半はビザがないと口座開設しに銀行店舗に赴いても門前払いされるんです! 
 なんでよ? ビザを得るために銀行口座を開設しようとしているのに、そのビザがなきゃダメなんて、卵が先か鶏が先かみたいな話じゃないですか。本当に意味が分からない。理解できない。納得できない!
 で、いろいろ調べてみました。結論から言うと、市役所で住所登録をした段階で、後は日本のパスポートがあればドイツの銀行口座開設はできるそうです。ただし、それは、そのときに対応した各銀行の担当者によるとのこと。出た! ドイツあるあるです。ドイツでは銀行に限らず各店舗の担当者によって全然対応が異なるんです。それは市役所などの公的な場でも同じ。良い担当者に巡り会えたらラッキー。偏屈な担当者と遭遇したら潔く引き下がるしかない。なんて不条理な世界なんでしょう。
 まあ、文句を言っても仕方がないので、知人の体験談を参考にして銀行口座取得を目指しましょう。まず、上記のようにビザがないと銀行口座開設はできないと断られたケースです。
 ドイツの銀行には『支店銀行』、『ネット銀行』、『フィンテック銀行』の3種類があるんですって。
 このうちの、『支店銀行』というのは既存の銀行のことで店舗型。ドイツ国内の主な銀行としては国内最大の『Deutsche Bank』、ドイツ・ブンデスリーガのアイントラハト・フランクフルトのネーミングライツ『コメルツバンク・アレーナ』でお馴染みの『Commerzbank』、ドイツ各都市が運営していて国内でも屈指の店舗数を誇る『Sparkasse』(写真の『S』の看板が目印です)などがあります。このうち、友人は『Sparkasse』に向かったのですが、そこで対応したドイツ語しかできない担当者に「ビザがなきゃ口座は作れないよ」と言われてしまったそうです。しかも、本来ならば口座開設の予約をしなきゃならないとも……。予約って、店舗へ電話してドイツ語で交渉するの? それともわざわざ店舗へ行ってドイツ語で会話して予約を取るの? ハードル高すぎです。
 でも、他の知人は同じく『Sparkasse』の別店舗に行ったらビザ無しで、住所登録した用紙と自身のパスポートだけで普通口座が作れたとのこと。しかも、そのときの担当者は英語が介せたらしく、丁寧に説明してくれて分かりやすかったと言うのです。うむー、なんでこんなに対応が違うんでしょう?
 ドイツ国内の各銀行が外国籍の方への口座開設に消極的なのは、実は昨今のヨーロッパの諸事情が関係しています。それはシリア問題を発端にして増加した難民のヨーロッパ各国への流入です。移民を積極的に受け入れているドイツでもこの問題は起きていて、マネーロンダリングなどの犯罪の温床にもなることから、この半年くらいの間にドイツ国内の銀行口座開設の基準が厳しくなっているというのです。
 うーむ。昨今の国際事情を鑑みると致し方ない面もありますね。ドイツ国民の方々からしたら、外国籍の方が何故ドイツに移住するのか、その趣旨や目的が明確でなくては自身の生活が脅かされる可能性もあるわけですから、簡単に受け入れることもできない。なんとも難しい問題です。
 そこで僕は今回、知人のアドバイスを受けて『支店銀行』ではなく、『ネット銀行』の口座開設を目指すことにしました。ただ、こちらにも様々な障害がありまして……。
 銀行口座開設の項、次回へ続きます。
(続く)