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ヨーロッパ移住への道!17『ドイツの携帯電話事情』

住居のインターネット環境が整ったことで、劇的に仕事の環境も改善されました。それまでは公共WIFIが通っているカフェへ通ったりして原稿を執筆したり、映像を観たりしていたものが、すべて自宅で作業できる! いや、いたって普通のことなのですが、異なる言語、異なる文化の中で便利なものを享受しようとなると、相応の知識と経験が必要なことを実感しました。
 さて、そして、WIFIと共に現代人にとって必須なアイテムが携帯電話です。僕はもちろん日本では携帯キャリアと契約し、今でも日本の携帯電話を有しています。日本の携帯電話は『海外ローミング』というサービスを使用すれば海外でも通話できますし、ネットも閲覧できます。ただ大概の方々がご存知のように、日本の携帯キャリアの『海外ローミング』はサービス料がとても高いです。一日1,000円、もしくは2,000円以上掛かるのが普通で、しかもデータ制限もあるので、こちらに移住する者にとってはこのようなサービスを利用するのは現実的な選択とは言えません。
 また、短期で旅行や出張する方はWIFIルーターをレンタルする場合もありますよね。僕も以前は出張の際によく利用しましたし、サービス提供会社によっては安価なものもあります。ただ、こちらも無制限にデータを使用できるものは少なく、動画閲覧などで膨大なデータ量を使用した場合は現地の携帯キャリアから強制的にストップされることもあります。また、スマートフォンなどでは設定によって写真などのデータをクラウドにアップロードする機能があって、その設定を解除しておかないと、それがWIFIルーターが認識して勝手にデータを使用するケースもあって注意が必要です。僕もスペインで使用したときに一瞬で1ギガバイト使用して、すぐさま日本のルーターサービス会社の方から電話が来たことがあります。恐ろしい……。
 したがって、海外在住の方が携帯電話を持つ際は総じて現地の携帯キャリアを契約してSIMを取得するか、プリペイドSIMカード(以下、プリペイドSIM)を使用します。ただし、日本で購入したスマートフォンに関しては、あらゆるSIMカードを使用できる『SIMロック解除』の手続きが必要です。この件の詳細はウィキペディアのページを参照して頂きたいのですが(https://ja.wikipedia.org/wiki/SIM%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF)、かいつまんで説明すると、『SIMロック』が解除されていないとプリペイドカードなど、新たなSIMをスマートフォンに差し込んでも認識されず、使用することができません。
 まずドイツの携帯キャリアに契約する場合ですが、こちらは日本の携帯キャリアと同じく、大抵スマートフォンの購入と抱き合せで2年契約の縛りなどがあるのが常です。ドイツの有名携帯キャリアは『ドイツテレコム(Deutsche Telekom AG)』、『ボーダフォン(Vodafone Group Plc)』など。ただ、いつ日本に帰国するか分からない方は、この2年縛りがネックになって負担が増してしまいます。またドイツのインターネットや携帯の契約条件は少し特殊で、『2年縛り』の場合は契約期間中に割引サービスを受けられるのですg、2年を超えると割引が解消されて料金が割高になるケースが多いです。『長く契約してるのに、なんで電話料金が高くなるんだよ!」と叫びたくなりますが、どうしようもありません。また、正式に携帯キャリアを契約する場合は現地の居住者であることや滞在許可証の提示を求められることが多く、旅行者の方が契約するためのハードルは高いです。
 さて、そうなると選択肢はプリペイドSMの購入ということになります。こちらは先ほどの『ドイツテレコム』や『ボーダフォン』以外にも大小様々な会社から発売されていて、『REWE』や『ALDI』などのスーパーマーケットチェーンでも店頭で販売しています。
 ただし! なんと、昨年の夏くらいからドイツにおけるプリペイドSIMの購入条件、回線開設条件が変わってしまいました! これまではプリペイドSIMの看板を店先に掲げている商店などに行ってプリペイドSIMを購入すれば、その場で店員さんがアクティベーション(開設作業)をしてくれたんです。でも、どうやら昨年にEU法が改定されたらしく、移民、難民の問題などから購入時にパスポート情報が必要だったり、アクティベーション時に住民許可証の番号を入力する必要が生じるようになったのです。ちなみに何も知らなかった僕は昨夏に涼しい顔でいつものように商店に赴いて「プリペイドSIMください」と言ったら、「ウチにはないよ」と言い放たれてしまいました。えっ!?、だって店先にプリペイドSIMを販売している看板が出てるじゃん! それとも売り切れ? と思ったのですが、それから3件くらい回っても同じ答えで、『これはおかしい……」と感じて調べたところ、プリペイドSIMの購入条件が厳しくなり、街中の商店ではプリペイドSIMを扱わなくなってしまったそうです。旅行者が簡単に購入できないのならば、商店もわざわざ商品を置く理由がないわけですからね。いやー、これは参りました。プリペイドSIMが購入できず、このまま日本の携帯を使い続けていたら破産してしまいます。どうにかせねば……。
 当時はまだ住居が決まっておらず、フランクフルト中央駅付近のホテルに宿泊していたため、『カイザー通り』や『タウナス通り』などにあるいかがわしいお店を探し回ったのですが、ここで、あるお店のおばちゃんから「隣のインド食材店でプリペイドSIMをアクティベーションしてくれるわよ」という情報を得ました。勇んでそこへ行くと、分かりやすいインド人顔のあんちゃんが即決で「売ってあげるし、登録もしてあげるよ」とのこと。「でも、滞在許可証がないと購入できないんでしょ」と聞いたところ、「ああ、この店の住所で登録しちゃうから大丈夫」とのお言葉。ああ、やっぱりイリーガル……。でも背に腹は変えられないのでそれを購入して使用しましたが、約2か月間、何の問題もなく使用できたので一安心です。ちなみに現在は滞在許可証を所持しているので『ボーダフォン』で正式なプリペイドSIMを購入して使用しております、はい。
 ドイツのプリペイドSIMはチャージ式のものが多く、クレジットカードを所持していればネットでチャージすることが可能です。例えば3ギガバイトくらいのデータ量ならば20ユーロ前後が相場でしょうか? 日本円で約2,600円くらいでその値段ならば結構お得に感じます。また電話番号もこれで所持できるので、こちらでの通話も問題なくできます。ただし、やっぱり旅行者にとっては敷居の高いものになってしまったのは事実で、気軽に購入して安価に携帯を使用するのが難しくなっているのが現状です。いろいろ、ややこしいですねぇ。
 でも、携帯電話がないと不便なこともたくさん。今後、他に良いサービスを見つけたらご報告しますね。