出色のプレーを見せた伊藤涼太郎。そのプレーと意識の変化を導いたものとは【選手コラム】
(取材・文)轡田哲朗
昨季までと全く違う視野の取り方
「あ、そう見えていたんなら嬉しいですね」
伊藤涼太郎に、25日の東京国際大学とのトレーニングマッチを終えた後に話を聞くと、少しはにかんだような笑顔を返してきた。この日の伊藤は、合計4本で行われた中で、試合に出場することが多い選手たちが多い2本目(35分)と、出場機会を掴もうとしている選手たちの多い4本目(45分)にボランチで出場していた。
その違いは、ボールを受ける前の視野の取り方にあった。これまでに彼のプレーを見ていた印象としては、「狭いところでのプレーがうまい選手」だった。シャドーの位置が本人の最も希望するポジションではあるが、紅白戦でボランチに入ることも多かった。その中でも、近い距離のパスでワンツーを受けてかわそうというプレーが目立つプレーヤーだった。
本人も「作陽(高校)は近いところでつなぐサッカーで、それをずっとやってきたので」と、そのスタイルが体に残っていたと話した。トレーニングマッチでも、自分から相手の近くでプレーしようとしすぎてボールロストにつながるシーンも少なくなかった。
それが、この日はプレッシャーの少ないボランチであったにしても、まずは逆サイドや最前線などを見た上で、次の選択肢として近いところへのパスというプレーに様変わりしていた。それは、ボールを受ける前の挙動や上体の姿勢からハッキリと感じ取ることができるものだった。
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