バランサーとして中央に君臨する筏井りさ チームのカギを握る“黒幕”【轡田哲朗レッズレビュー/プレナスなでしこリーグ第10節INAC神戸戦】
(取材・文)轡田哲朗
目立たずとも、いないと大変なことになる存在
浦和レッズレディースのINAC神戸レオネッサとの一戦は、このまま引き分けかというムードが濃くなっていた後半45分に、ショートコーナーを起点とする攻撃で1点を奪われて敗れた。
ボランチの一角でフル出場した筏井りさは、「決め切れない時間が長い時に、もう一つ粘って最後に1点でも取って勝つという試合を増やしたいですね。上位チームとはどうしてもそういう試合になるので」と、競り負けたゲーム展開の悔しさを話した。
石原孝尚監督が就任した今季の浦和では、様々な意味で“黒幕”とでも言うべき役割を担っている面がある。ボランチを組む猶本光は、攻撃でも守備でも自分からアクションを起こしていける強さがある。その一方で、パートナーはある程度まで猶本に引っ張られるようにしてポジションを合わせることが求められる。また、ビルドアップの部分でも個性の強い選手たちにボールを安定して渡していくためには、軸になってリズムを作る存在が必要だ。そうした役目を、筏井が担っている。
また、今季の両サイドバックはボランチ出身者が務めることもあり、高い位置を取って攻撃に関与していく良さがある。そうした時に、カウンターのカバーで両サイドのスペースをいち早く埋めているのも筏井だ。飄々とした雰囲気を漂わせてプレーし、目立つ選手ではないが、いないと大変なことになる重要な存在になっている。
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