浦レポ by 浦和フットボール通信

「もどかしさが半端じゃない」柏木陽介 苦境の打破に向けた意外なプランを語る【轡田哲朗レッズレビュー/明治安田生命Jリーグ第16節鳥栖戦】

(取材・文)轡田哲朗

勝利していればマン・オブ・ザ・マッチ級のプレー

「アメリカンフットボールのクォーターバックのようにプレーするんだ」

大原サッカー場で、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督が大声でボランチの選手に指示している場面を何度も見たことがある。25日のサガン鳥栖戦で柏木陽介が見せたプレーは、まさに“司令塔”の3文字がふさわしいものだった。それだけでなく、機を見てはドリブルで相手守備網の嫌なポケットに侵入し、引き付けたところでパスを出す。秀逸なプレーぶりは、勝利から見放されたゲームが続くここ最近でも、最も効果的で勝利を引き寄せんとするものだった。

特に、「さすが、柏木陽介」と唸らされたのが前半アディショナルタイムの1プレー。グッとドリブルで持ち出すと相手3人が食いつく。シュートか、ワンツーか、中央へのスルーパスかと、ピッチ内外から引き寄せられた視線の全てを裏切るように、ペナルティーエリア右サイドに抜け出した武藤雄樹に浮き球パス。あとは武藤がゴール前にボールを返せば1点という場面だったが、その折り返しは大きく逆サイドまで飛んだ。ペトロヴィッチ監督も試合後の記者会見で嘆いた1プレーだった。

しかし、現実は厳しい。コーナーキックから先制点を与えると、後半45分には目を疑うような森脇良太の判断ミスから失点。アディショナルタイムに李忠成がPKで1点を返したが、焼け石に水という感がぬぐえなかった。

柏木は、取材陣が待つミックスゾーンに入る時、ドイツ移籍前のラストゲームだった鳥栖MF鎌田大地のセレモニーを少し遠い目で見るようにして、歩み寄ってきた。

(残り 1330文字/全文: 2003文字)

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