アンカーでありフォアリベロでもあり 際立つ青木拓矢の重要性【轡田哲朗レッズレビュー/明治安田生命Jリーグ第26節磐田戦】
(取材・文)轡田哲朗
先制点を与えた後のカウンターという悪癖からの脱却
浦和レッズは17日のジュビロ磐田戦を1-1の引き分けで終えた。作り出した決定機と相手による攻撃の手数とピンチの質を考えれば、あまりにももったいない引き分けだったのは間違いない。どんなチームでも1試合の中で1失点というのは起こり得るものだが、3-1か4-1で勝利しても良いような内容の試合だった。それだけ、特に前半のチャンスの質が高かっただけに、それをスコアで表現できなかったのが痛恨だった。
ただ、そうした中で存在感を放っているのが青木拓矢だ。現在、堀孝史監督が推し進める「4-1-4-1」のシステムの中で、青木の役割は3列目の「1」だ。攻守において、蝶番の役割を担うこのポジションで、青木は堀監督の信頼を得ている。このゲームと、その一つ前の13日に行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)川崎戦で一つ青木が入ったことによって生まれた変化が、先制点を許した後のゲーム展開にある。
いずれのゲームも、勝利が欲しい状況、ゲーム展開の中で先制点を許してしまったのが共通点だ。本来であれば、先制されずにゲームを進めるのが望ましいのは事実だが、相手があるサッカーという競技である以上は起こり得るものだ。前任のミハイロ・ペトロヴィッチ監督が率いていたころの浦和でよく見られたのが、先制されると前掛かりになってカウンターで追加点を許すというもの。ところが、川崎戦は相手に退場者が出たこともあったが、磐田戦は全くその危険性を感じるようなことのない試合に持ち込み、少なくとも同点ゴールを生み出している。
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