大舞台への切符をつかんだ原口元気 4年前の槙野智章との誓いを胸に、共にロシアへ
(Report by 轡田哲朗)
浦和でのラストゲームで槙野が見せた原口への思い
5月31日、東京都内では来月に開幕するロシア・ワールドカップ(W杯)本大会に出場する23名の日本代表メンバーが発表される記者会見が行われた。その場に出席していた私は、遠藤航と槙野智章の名前が読み上げられたことにちょっとした安堵の気持ちを持ったのと同時に、4年前のことを少し思い出した。
ブラジルW杯に出場する日本代表には、GK西川周作が選出されていた。槙野も候補の一人であったし、その年から「9番」を受け継いでいた原口元気もまた可能性のある一人だった。しかし、両者はブラジル行きの飛行機に乗ることなく、浦和レッズの一員としてヤマザキナビスコカップ(当時)の戦いに臨むことになった。
ほぼそれと時を同じくして発表されたのが、原口のドイツ移籍だった。浦和でのラストゲームは、埼玉スタジアムでの名古屋グランパス戦。何とかゴールを手土産にドイツに行きたい原口は、自らフリーキックも直接狙った。しかし、そのボールはGKに弾かれてしまった。そこに飛び込んできたのは槙野。ボールはゴールに押し込まれ、原口は交代前のラストプレーをゴールの喜びと共に終えることができた。
その時、槙野はイエローカードを受けることも厭わずに、原口の肩を抱き寄せてユニフォームを脱いだ。そのアンダーシャツに書かれていたのは「浦和→ドイツ=ロシアW杯 バイバイ泣き虫ゲンキ! 元気!!」という文字だった。
浦和の下部組織出身選手として初のW杯へ
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