浦レポ by 浦和フットボール通信

橋岡大樹がプロとして迎える初めての夏に、大きな壁にぶつかっている今の心境を語る


(Report by 河合貴子)

暑さの中でのコンディション維持の難しさ

ピッチの中で、常に自分の持てる力をフルに出して闘う姿勢を貫き通す橋岡大樹選手。務めているサイドハーフは、ブロックを退く守備のときには5DFとなり、自陣が一気に相手陣内へと駆け上がる激しい上下運動が生命線となる。

しかし、プロ1年目でスタメンを飾り走り続けてきた橋岡選手が、大きな壁にぶつかったのだ。

酷暑の中で蓄積された疲労のために、思うように身体が動かない。鉛を引きずるように身体が重いのだ。失った切れのある動きと豊富な運動量。プロ選手として迎えた初めての夏を、どううまく乗り切っていくかが橋岡選手の大きな課題になった。

橋岡選手は「フィジカル面で、パフォーマンス的に絶好調とは言えない。今、ここでみんなに絶好調だと嘘をつくのは違うと思う」と正直に自分の状況を話し出した。ピッチの中での自分のパフォーマンスが低下してきていることを実感していた。

そして「こういう時こそ、どっちに転ぶか。どんどんパフォーマンスが落ちるのか、本調子に戻して良いパフォーマンスができるかに分かれる。僕みたいな選手は、本当にたくさんいる。試合に出て、ある程度のパフォーマンスができて良いと言われ、ちょっとこういう暑い中で落ちてきたり、慣れとかでプレーが雑になったりすることがあると思う。

そこで、いかに自分を追い詰めることができるかだ。うまくいかず、苦しい状況の時に、諦めずにずっとやり続けることがこれから先につながると思う。今が、本当に山だ。この山を越えて成長できる過程だと思う。

頭を使って磨かれているところはあるが、今は自分的にうまくいってないと思う。今を成長できるように、努力して練習から取り組むことが大切なんだ」と苦しい状況でも自分に対して厳しく戒めるように話した。

体調管理にも「休養を取り、エアコンの風に当たらないようにしている」と細心の注意を払っている。

そして、自分自身がどんなにつらい状況でも「川崎に2-0で勝っているし、前節は広島に4-1に勝って良い流れで来ている。でも、こういう時に気を引き締めないとまた悪い流れになってしまう。しっかりここで、勝てるチームが本当に強いチームだ。

どんなに川崎にボールを回されても、焦れることはないと思う。自分たちが、回させてやっているんだっていう気持ちでやるぐらいで良いと思う。前からプレスをかけて、ボールを奪えれば良い」と川崎戦に意欲をみせた。

ベストなパフォーマンスが試合で出せるように、興梠慎三選手や柏木陽介選手たちなどは室内などで独自の調整をしてコンディションを整えている。良い意味で、少し手を抜くさじ加減を覚えることでベストパフォーマンスを回復させることができるだろう。

だが、実直な橋岡選手はそれをすることができないのだ。もがき苦しみながら、この夏を経験することで更に選手として成長していくだろう。

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