浦レポ by 浦和フットボール通信

【無料記事】槙野智章が「このまま終わる僕ではない!」と、中断中も将来に向けて、再開に向けて取り組んでいること


(Report by 河合貴子)

監督になる夢のための勉強も

新型コロナウイルスの影響で自粛生活が続く中、規則正しい生活でしっかりと体調を管理しながら有意義な時間を過ごしていたのは、通信アプリのZOOM取材に対応した槙野智章選手であった。

どんなにネガティブな状況でも、ポジティブに物事を考えて行動ができる槙野選手らしい。

「シーズン中とは全く違う生活スタイルになってしまった。活動自粛が延長になってからは、チームのオンライントレーニングも2日、3日に1回行われる中で、プラスαを自分のトレーニングをスケジュールの中に入れて、午前中はトレーニング、午後はチームの方とも話しをしてB級ライセンスの講義が家で受けられるので、PCでやっている。あとはSNSの発信で、どうやったら元気や勇気や笑顔を届けられるかを、編集したり、見つけたり、撮ったりしている」と午前はトレーニング、午後はB級ライセンスの講義とSNSで発信するコンテンツ制作をしていた。

そして「引退したあとに、監督になりたい」という大きな目標がある。それに向けて、現役の選手のうちにB級ライセンスまでは取っておきたい。指導実戦が、この後に行われる。コロナの状況で中断し、レッズのアカデミーの子供たちへ自分の言葉と一緒に指導をすることで伝えられることがあると思って、チームにお願いしてこのタイミングで(B級ライセンス取得を)スタートさせてもらった」と話し「何よりも一番大事なのは、選手たちが意欲的に楽しんで練習をする(環境を)作りあげることが、監督・スタッフの目的だと改めて知ることができて良かった」と引退後の監督を目指し、B級ライセンスの取得に向けて勉強をする時間にしていた。通常のシーズンでは、ライセンスを受講する時間もない。だからこそ、この中断期間を有意義に過ごしていたのだ。

また、PCの画面を通じてすごく気になったのは、久しぶりに見た槙野選手の首周りと胸板、腕周りがものすごく太くなっていたことである。

「身体のことに関していえば、シーズン中やここ数年は長い休みがなく、自分が目を背けていたトレーニングや弱いところに時間を割くトレーニングをやっている。特に、上半身の強化に時間を割いてやっている。今まで自分が出来ていなかったことに関して、自分を見つめ直す意味でも貴重な時間だと思ってトレーニングに励んでいる。ただ、筋肉をつけることで、身体が重たくなって怪我をする要因になる。これだけの重りをつけて、しっかりと動ければ良い」と話し「ユニフォームが、パツパツ」と少し照れ笑いしながら、ユニフォームの上からムキムキの筋肉を触った。

まるで鎧を身にまとっているかのような鋼のような筋肉が、画面からもわかる。対人プレーでは、以前よりもさらに当たり負けない屈強な肉体改造を行なっていた。肉体改造には、海外組の選手たちのトレーニングを見たり、コンタクトを取る中で主に吉田麻也選手からの影響を受けていた。

「太くするところ、大きくするところの上半身だ。今回、上半身の強化に努めている」と明かした。

やはり槙野選手にとって、今シーズン屈辱的な2試合ベンチスタートとなったことが大きかったようだ。

「当たり前のように試合に出ることが、ずっと自分の中にあった。良い刺激になっているし、良い危機感だと感じている。ベンチに座るのも面白くない。試合に出て、なんぼだ!再開したときに、ベンチで燻っているわけにはいかない。再開したときに、僕のプレーと僕の立ち位置を見て頂ければ良い」と不敵な笑みを浮かべた。

そして「個人的に、すごく思ってもいなかったスタートと思ってもないような状況に陥っているのは確か。ただ、30才になって身体の衰えを感じているものの、トレーニングの中で自分の強みを発見しているのも事実。今シーズン、新しいポジションやシステムの中で自分の良さを掴みつつある中での中断だった。再開したときに、チームの戦術の下で輝けるものを出せれば良いと思う。

大槻さんが今シーズン、センターバックに求めるもので守備はもちろんだが、攻撃を意識した要求をしている。キャンプから・・・。その中でも1番と言っても良いぐらい、ドリブルでボールを運ぶことだ。パスで相手を剥がすのではなく、ドリブルで1枚、2枚を剥がす動きを僕たちセンターバックに求めている。運ぶことに関していえば、DFの中でも自分の得意とするプレーだと思っている。そこは、違いを見出していける。

僕の中で、33才はベテランとは思っていない。若手と言うのはおかしな話だが、若い選手と同じ部類で、サッカーに対して貪欲に取り組んでいる。まだまだ世代交代の波にのまれるわけにはいかない」と身を引き締めた。

「このまま、終わる僕ではない!」と力強く言い切る槙野選手。英知と屈強な肉体改造で、活動再開後のポジション奪取を狙う。

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