浦レポ by 浦和フットボール通信

「こういうチームが強い」と断言した強さの秘訣とは 浦和レッズレディース優勝インタビュー 栗島朱里選手

(Report by 河合貴子 協力:浦和レッズ)

鼓動を感じさせる戦士

夕闇が迫る浦和駒場スタジアムに、高らかに浦和レッズレディースの優勝を告げる笛が鳴り響いた。それは日本女子サッカーの新時代の幕開けを告げる笛の音でもあった。

今シーズンの浦和レッズレディースは、可憐で美しいだけでなく、他を寄せつけない力強さを持ち合わせたチームだ。前線からアグレッシブにプレスを掛けて、両サイドバックが高いポジションを取り、実質GKとセンターバック2枚のトライアングルでリスク管理をしながら、良い距離感で守備から攻撃へと素早く展開していく。そして小気味の良いリズムでポゼッションして相手ゴールへと迫る。ピッチの中で、力強く相手をねじ伏せる力もあり、本当に華麗なパス回しで相手を崩す。ピッチの中央で相手の攻撃の芽を摘み、絶妙なバランスを取って攻撃を仕掛ける選手がいる。柴田華絵選手とボランチを組む栗島朱里選手だ。

「心臓」と栗島選手は、任されたボランチを例えた。「チームの真ん中にいる心臓の部分で、真ん中の選手が動かなかったらチームは機能しないと思う」と栗島選手は言った。まさに、浦和レッズレディースの攻守の原動力になっている心臓だ。

栗島選手は、レッズレディースの下部組織で育ち2011年にトップチームの試合に出場できるように登録されて高校2年生にして1試合であったが(10月16日新潟戦2-0)デビューした。そして2013シーズンに正式にトップ昇格を果たした。新加入として浦和レッズレディースの一員となった当時の栗島選手は、向上心の塊のような選手で豊富な運動量を武器に右サイドバックで果敢にチャレンジし続けていた印象がある。その姿勢は、現在も変わらない。攻守において「チームがうまくいくためにはどうすれば良いか」常に考えていた選手の一人だ。

右サイドバックを任されていた時も、危機察知能力で惜しみない上下運動を繰り返し守備に貢献しながら、攻撃もクロスには定評がありパス精度も高くポテンシャルが光っていた。右サイドバックからボランチへとコンバートされても、さらに自分の持ち味である運動量を生かしながら守備力と攻撃の展開力に磨きを掛けていった。

「サイドバックをやっていた時は、その楽しさもあった。サイドバックは、後ろから(相手の)選手が来ない。ほぼ選手が前から来るのでやりやすかった」とクスリと笑い「ボランチは360度どこからでも相手が来る。真ん中で球離れを早くするとか、運動量の部分を意識している」と笑顔をみせた。

そして「自分が、相手のパスコースを読んでインターセプトや潰す。真ん中にボールが多いので、その部分では自分のプレーが生きるかな・・・。相手がボールを持ったときに、あえてスペースを与えといて、そこにパスが出たときにダダダって自分が先にボールを獲る。あとは、相手が来た瞬間にガッツンといく。光さん(猶本選手)が今シーズンから入って、守備の部分で声を掛けながらやっている」と守備面について話した。

豊富な運動量を生かしながら、相手との駆け引きに優れているだけではない。ボランチとトップ下とのトライアングルのバランスをしっかりとコミュニケーションで補っていたのだ。それが、浦和レッズレディースの良い守備から良い攻撃へと切り替え早く移行できる絶妙な距離感を生み出す鍵になっていた。

「距離感が良いのは、攻撃のときの距離感がそのまま守備に出るし、攻撃のときにも生きている。森さん(森栄次監督)は、ポジションにこだわり「ここにいろ」と言うのはない。誰かが動いたら、そのスペースに他の人が入ってくる。練習中に「周りで合せろ」と良く言われる。空気を読んで、ほぼ無意識というかそういう感じでやっている。

ハナさん(柴田華絵選手)が、すごく動いてくれるので、自分も負けずに動かないといけない。ハナさんが運動量を出してくれる分、バランスを取ったり、いろいろと考えながらやらないと、と思っている。ボランチは、運動量を出さないといけないし、誰よりも切り替えを早くしないといけないし、守備で(相手を)潰さないといけない。攻撃の繋ぎの部分もあるので、意識することはたくさんある」と栗島選手は頭をフル回転させていく中で、自然と周囲と調和したオフ・ザ・ボールの動きを身につけていき、無意識で攻守にわたり良い距離感でプレーができるようになったようだ。

だから、試合中に基本のポジションから臨機応変に対応し、あうんの呼吸で守備でも攻撃でもコントロールできる。それが自信となり、ピッチで輝きだし、しっかりと勝利という結果がついてきた。

「今年は、点を獲られても獲り返せると思えるし、相手に主導権を握られても大丈夫という自信がみんなについた。とてもバランスが良い。ピッチ上でもピッチ外でも仲が良い。自分で言うのもなんですが・・・」と前置きをして「こういうチームが強い」と断言するほど、今シーズンの浦和レッズレディースは本当に胸を張って言える強さがある。

森監督が浦和レッズレディースで指揮を執り2年目で、チーム一丸となって闘う強いチームを作り出した。

「とにかく自分たちが足りないところを意識して自分たちで考えつつ、森監督が的確に教えてくださって、1つ、1つ、取り組んでいったら結果に繋がった。お茶目な感じで、何も気を遣わずに優しい。森監督は、足元を見ていて先のことは言わない。「今日の試合を勝とう!」と毎試合言ってくれる」と嬉しそうに話した。

森監督は、選手たちに的確なアドバイスをしながら、選手たちの考える力を養い、優しい眼差しで見守りながら1戦、1戦、選手たちがピッチで輝けるように日頃の練習から取り組んでいたことが、栗島選手の話からも良く分かる。選手に自信と安心感をもたらしていると言えるだろう。

なでしこリーグ最終節・ノジマステラ神奈川相模原戦を前に「優勝したチームとして最後まで気を抜かず。最終戦、勝ってこそだ!」と栗島選手は身を引き締め、有終の美を飾ることを誓った。

最終戦後に行われる恒例のセレモニーでは、来場者全員にキリンビバレッジ(株)より『iMUSEレモン』がプレゼントされ、優勝を祝して浦和レッズレディースと一緒に乾杯する予定だ。もちろんコロナ禍なので、声を出さずに心の中で優勝を祝す乾杯となる。

浦和の聖地であるホーム浦和駒場スタジアムで開催される最終戦でも、浦和レッズレディースらしい躍動した雄姿をしっかりと栗島選手は見せてくれるはずだ。

浦和レッズレディースの鼓動を栗島選手が、プレーで感じさせてくれる。

最終戦で優勝記念イベント開催

2020プレナスなでしこリーグ1部 第18節
2020年11月21日(土) 13:00キックオフ・浦和駒場スタジアム
浦和レッズレディース vs ノジマステラ神奈川相模原

☆キリンビバレッジ株式会社首都圏地区本部埼玉支社様ご提供の『iMUSE レモン』で乾杯!
2020シーズンもたくさんの温かいサポートをいただきましたみなさまに感謝の気持ちを伝えさせていただきたく、セレモニーを行います。また、優勝を祝しまして、選手・スタッフはじめ、スタンドにお越しのみなさま全員とキリンビバレッジ株式会社首都圏地区本部埼玉支社様ご提供の『iMUSE レモン』で乾杯を(声を出さずに)行います。
※『iMUSE レモン』はご入場の際、ご来場様全員にお配りいたします。
※セレモニーは試合終了後に実施

~その他にも当日はイベント盛りだくさん~
☆「タオルマフラー型優勝記念ステッカー」を来場者全員にプレゼント!
ファン・サポーターのみなさまの熱いサポートのおかげで、6年ぶりのリーグ優勝を飾ることができました。感謝の気持ちを込めまして、来場者全員に優勝記念ステッカーをプレゼントいたします。

☆ギフティング(投げ銭)で応援しよう!
ギフティングやコメント等で浦和レッズレディースの応援をお願いいたします!
1回500円以上のギフティングいただいた方に、本試合限定の安藤選手&猶本選手デジタルスマホ壁紙をプレゼント!!

※その他詳細はこちらよりご確認ください。

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