効率的な戦い方でG大阪を撃破 一発必中のユンカーが2得点【河合貴子 試合のポイント/J第14節G大阪戦】
(Report by 河合貴子)
攻撃的に来るG大阪を逆手に取った3得点
リカルド・ロドリゲス監督が掲げる5レーン理論に基づくポジショナルプレーで、ゲームをしっかりとコントロールする理想的な展開にはならなかった。それでも浦和は、堅守から数少ない決定機をしっかりと決め、3-0でG大阪を下し完封勝利を飾った。
低迷からの脱却を図るために試合2日前に宮本監督を解任し、松波強化アカデミー部長が暫定監督として指揮を執り浦和をホームに迎えたG大阪は、試合開始からアグレッシブにプレスを掛けてDFラインを押し上げて距離感よく攻撃を仕掛けてきた。90分通して浦和のお株を奪うようにG大阪はポゼッションをしてゲームを支配していた。浦和のポゼッション率は、41%であった。
試合後のリモート会見でリカルド監督が「別の武器で試合をモノにできたのは良い部分だと思う」と安堵の表情を浮かべていたが印象的であった。自陣に押し込まれた浦和であったが、4-4-2のブロックを退きボールサイドにスライドしながら良い距離感で守れていた。中盤で柴戸海選手と阿部勇樹選手が巧くバランスを取りながら守備網を張り、中から外と揺さぶりを掛けられても崩れない。
松波監督は「早いプレスをかけて奪って、という狙いはありました。FWと中盤の間が空くような傾向があったので、あそこでボールを引き出せる選手を置きながら相手の中盤をよせた中での崩しを考えてでした」と苦悩の表情を浮かべた。
G大阪に決定機を作らせず、7分のカットインから宇佐美選手の強烈なシュートも鈴木彩艶選手が身体能力を生かしファインセーブしたり、身体を張った岩波拓也選手のシュートブロックなど集中力を切らさずにしっかりと守れていた。確かに、前線に強烈な選手を次々と送り込むG大阪に決定機を作らせなかったとはいえ、セカンドボールを拾えず、前線にもボールが収まらず浦和らしい攻撃のリズムが作れなかったことは今後の課題である。
浦和にとって決して理想的な展開にはならなかったが、リカルド監督は恐らくこのG大阪戦の展開は想定をしていた展開だったのではないだろうか・・・。電撃的な監督解任でG大阪が攻守においてアグレッシブな姿勢で戦ってくることを想定したスタメンだったと思われる。
エリートリーグ・横浜FM戦でスピードを武器にして結果を残した田中達也選手を、リーグ戦12試合ぶり(3月6日アウェイ鳥栖戦以来)スタメンで起用し、ダブルボランチの組み合わせを守備範囲の広い柴戸選手と阿部選手を組ませ、トップ下の小泉佳穂選手が攻撃を組み立てる。
左サイドハーフを任せた武藤雄樹選手については「彼自身やり慣れていないが、その中でもしっかりとやってくれましたし、右からのクロスにシュートに入っていけるような立ち位置などを考えての起用をしました」とリカルド監督が話していたが、攻撃面もさることながら、4-4-2のブロックを退いた時の武藤選手の守備も効いていた。
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