広島の守備に苦しめられるも引き分けに終わる 鈴木彩艶は初失点に「苦い経験になった」【河合貴子 試合のポイント/J16節広島戦】
(Report by 河合貴子)
2回リードするも痛み分け
試合内容からしたら、浦和は本当に厳しい状況に追い込まれていた。攻撃のスイッチを入れるクサビの縦パスも横パスもなかなか入らない。それでも浦和は、15分にキャスパー・ユンカー選手がJ1リーグ戦デビュー4試合連続ゴール決めて先制。23分にハイネル選手の左CKが直接決まり追いつかれたが、84分に興梠慎三選手が今シーズン初ゴールを決めて苦しい展開の中でも再びリードしてゲームを締めにかかった。しかし、アディショナルタイムに広島の底力を見せつけられてしまった。90+2分、藤井選手がスピードに乗って突破して入れたクロスを槙野智章選手がクリアーするもこぼれ球を川辺選手に拾われて思い切りの良いミドルシュートで2-2の同点とされてしまい痛み分けとなった。
「最終的には、全体として妥当な結果の引き分けだと思います」とリカルド・ロドリゲス監督は険しい表情を浮かべながらも潔く結果を受け止めていた。
浦和は中3日で迎えた4連戦であったが、相手は中2日で16連戦中の広島だ。コンディション的には、広島に乗り込んだとはいえ浦和が優位のはずであった。浦和は小泉佳穂選手と柴戸海選手をスタメンで起用し2選手を入れ替えたが、広島はしっかりとローテーションして5選手を入れ替えて臨んだ。さらに広島は、今シーズンから4バックに取り組みながらも戦術の浸透が捗らない中で、前節から原点回帰し3バックに戻し可変的にして結果を残したことで自信を持って3-4-2-1システムで挑んできた。
浦和が苦しめられた理由は、広島が両ワイドの選手がDFラインへと下がり5バックになりながら5-2-3がボールサイドにスライドしてはめ込んできたのだ。クサビのパスが入らずに後方から攻撃を組み立て直すところを激しく前線からプレスを掛けてDFラインを押し上げてくる。広島のプレスの掛け方は、悔しいが見事であった。良い距離感での守備から、良い攻撃へと転じる広島を相手に苦戦した。
リカルド監督は「広島が形を変えた中であまり多くの情報がなく、我々を1対1ではめてくるディフェンスをしてきて、そこでなかなか違いを作れなかったと思います」と試合を振り返った。
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