浦レポ by 浦和フットボール通信

優位な状況から苦戦した試合、伸びしろは駆け引きの「引き」にあるか【轡田哲朗レッズレビュー/ルヴァン杯プレーオフ第2戦神戸戦】

(Report by 轡田哲朗)

柴戸の状態は16日の練習で何か分かれば

浦和レッズは13日のルヴァン杯プレーオフステージ(16強)第2戦、ヴィッセル神戸戦を2-2の引き分けで終えて、2戦合計を1勝1分の4-3で突破を決めた。第2戦に関して言えば、突破条件は勝利か引き分けという結果はもちろん、0-1での敗戦でも良かったので、簡単に言うと「2失点しなければOK」だった。これは第1戦で作った突破条件としては相当に良いものであって、危ないところまで追い込まれた第2戦はうまくやったとは言い難いという評価が妥当なところだろう。

メンバーで言うと、金子大毅がボランチで9日の天皇杯から2試合連続スタメンだったことがピックアップされるところで、確かに彼の強度は1失点までに抑えれば良いというゲームにおいて有用だと判断したのかもしれないし、柴戸海の状態に何らかの不安があったのかもしれない。その辺りは、試合後記者会見の限られた時間と機会の中では確認できなかったので、16日のメディア公開練習で何かが分かればということになる。

「山口システム」で忙しくした神戸と、中途半端だった浦和

リカルド・ロドリゲス監督は試合2日前、11日の記者会見の時点で「立ち上がりが大事だと思います。神戸としては立ち上がりでしっかりと力強いプレーをし、ゴールを決めてレッズを迷わせることを狙ってくると思います」と、神戸の出方を予想していて、それはほぼ正確なものだったと言える。だが、試合開始直後に山口蛍のヘディングシュートがクロスバー直撃という事態を招いていて、上手に試合や相手をコントロールした入りができたとは言い難い。

神戸はイニエスタにフリーロールのような自由を与えている感があって、浦和ボールになったら中央から左サイドのエリアで状況に応じたことをしてくれれば良いという所作だった。神戸は浦和ボールに対して、配置というよりも人を基準にしたようなプレスをかけてきて、イニエスタとの関係で生まれがちになる中盤のスペースは山口がかなり「頑張り」で埋めていた部分があった。第1戦が終わった後の記事で、多くのものに神戸が支配したというようなことが書かれていたけれども、あの浦和ボールの長いスローな試合展開を神戸が望んだとは思えず、あれにもう一度付き合ったら2得点は望めない。そうした意味で、神戸としては試合をガチャガチャと落ち着かないものにして、少々のリスクを背負ってでも事故が起こりやすい状況を欲することは予想できた。その辺を試合後の山口に聞いてみると、そのまんまの話が戻ってきた。

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