浦レポ by 浦和フットボール通信

今季の中でも妥当性の高い勝利 強いてあげる改善点はブロックの外に出るか【轡田哲朗レッズレビュー/J19節柏戦】

(Report by 轡田哲朗)

イレギュラーは別にして、GKはどっちを起用しても前向きだった

浦和レッズは23日のリーグ第19節、柏レイソル戦に2-0で勝利した。前半の半ばまでは時にカウンターを受けそうな場面があったものの、飲水タイムでのちょっとした修正を境にボールを奪われる位置と相手の体の向きが大きく変わったことで、ほとんど攻撃を受けることなく敵陣に相手を閉じ込めることに成功した。そこで決定力に注文を付けたくなる人もいるかもしれないが、こればかりは選手たちが何よりも理解していることで、そこの「決めるか、決めないか」が次の出場機会、積み重ねていけば来季以降の契約にも影響することなので、頑張ってほしいと見守ることしかできない。

メンバーは20日の湘南ベルマーレ戦からガラリと変わった。GKの起用法について鈴木彩艶の件はあまりにもイレギュラーなことなのでここでは触れない。ただ、試合前の時点ではシンプルに湘南戦でミスもあり、五輪代表の発表もありというタイミングで一度メンバーを代えて、少し精神的な落ち着きを得る時間と西川にもう一度チャンスを与えるというのは悪くないと思っていた。

一方で、仮に彩艶がスタメンだった時にも、若い選手でありミスがあったからこそ次の試合に使うことで、そこで乗り越えていく成功体験をさせたいという考えは理解できると言っただろう。つまりは、どちらを使うか悩ましいタイミングであっただろうけど、どちらに転んでも悪くない状況だったかなという感があり、そういう意味では西川が無失点で終えたのもチームにとってはプラスでしかない試合だった。

それに加えて言えば、偶然の要素が大きそうな気はするものの、湘南戦は大半が今季の新加入選手、柏戦は逆にほとんどが昨季から在籍する選手がスタメンだったのも、ちょっとおもしろい要素ではあった。その辺りは、後述する「強いて言えば」の改善点にもつながるかもしれない。

そのスペースは後ろが使うか、前から降りるか

リカルド・ロドリゲス監督がやってきて展開しているサッカーは、ちょうどこの時期に開催されている欧州選手権(EURO)なんかを見ても、類似したことをしているチームが多い。そういった意味では特殊性やクセの強さはあまりなくて、どちらかと言えば日本ではスタンダードになり切っていないヨーロッパのスタンダードを求めている部分がある。そうなってくると、比較した時に最も違いがあるのは相手の守備ブロックの外に出てくる人数だと思っている。

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