浦レポ by 浦和フットボール通信

湘南戦がJ初の負け試合扱いに 選手は懲罰無し、クラブについても懲罰は減免に

明治安田生命J1リーグ 第18節 浦和vs湘南戦において、エントリー資格がない鈴木彩艶選手が出場したことについて、懲罰決定が行われて、その説明が行われた。

Jリーグ規約の懲罰部分、第133条、134条に基づき、違反行為については、JFA規律委員会が調査、審議をして懲罰を決定することになっている。JFA規律委員会の構成は規定により、外部の人間で構成された委員会となっている。

まず規律委員会の石井茂巳委員長より、今回の懲罰についての説明があった。懲罰の内容については下記。

対象事案
2021年6月20日に埼玉スタジアム2002にて開催された、2021明治安田生命J1リーグ第18節 浦和レッズvs湘南ベルマーレ(以下、「本件試合」)において、浦和レッズが指定公式検査において陰性判定を得ていない選手を試合に出場させた。

2.懲罰内容
・けん責
・本件試合につき得点を3対0として負け試合扱いとする
※個人記録は変更しないものとする

3.懲罰理由
(1)2021明治安田生命J1・J2・J3リーグ戦試合実施要項第13条第3項第1号により、試合にエントリーできる者の要件として、「指定公式検査において陰性判定を得ていること」が求められているところ、浦和レッズは、指定公式検査において陰性判定を得ていない選手を本件試合に出場させた。これは、出場資格の無い選手を公式試合に不正出場させたものであり、JFA懲罰規程〔別紙1〕競技及び競技会における懲罰基準3-3.「出場資格の無い選手の公式試合への不正出場(未遂を含む)」に該当する。なお、当該選手は、エントリー資格認定委員会への申請を行えばエントリー資格の認定を受けることが可能であったことがうかがわれるが、同クラブは、当該申請を行っていない。

(2)一方で、①同クラブが自ら今回の事象をJリーグへ報告したこと、また、②同クラブがエントリー資格認定委員会への申請を欠いていたことについて悪意はなく、手続き上のミスであったこと、③当該選手はU-24日本代表活動において必要とされる新型コロナウイルス感染症に関する検査義務を全うしていること等から、酌量すべき事情がある。

(3)以上より、同基準3-3に従い、同クラブに対して、対象試合につき得点を3対0として負け試合扱いの処分を科すとともに、同基準3-3の懲罰を一部軽減し、「出場した選手」である当該選手への処分は行わず、「出場させた者」にあたる同クラブに対してけん責処分を科すものとする。

4.適用条項
『JFA懲罰規程』
〔別紙1〕競技及び競技会における懲罰基準
3-3.出場資格の無い選手の公式試合への不正出場(未遂を含む)

『2021明治安田生命J1・J2・J3リーグ戦試合実施要項』
第13条〔エントリー〕第3項第1号

Jリーグの競技・運営部の中村 清部長は「試合当日は150分前にメンバー提出用紙へ記入、メンバー提出用紙記載メンバーとエントリー可能者リストを照合して、マッチコミッショナーへ提出する。マッチコミッショナーはそれをチェックしてサインを行う。ここにおいてマッチコミッショナーのエントリー確認も不十分であった」と説明した。

この問題の改善については「エントリーチェックポイントを確認することを共有した。研修会でも再徹底を図る。また紙と紙の照合のため、ヒューマンエラーが発生しやすい。電子化など検討が必要と考えている」とした。

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