浦レポ by 浦和フットボール通信

伝統芸の底力で突破 川崎と渡り合った構造と勝負のアヤ【轡田哲朗レッズレビュー/ルヴァン杯QF2川崎戦】

(Report by 轡田哲朗)

スタメンは初戦と同じ、リカさんは試合後に意図を話した

浦和レッズは5日のルヴァン杯準々決勝第2戦、川崎フロンターレとの試合を3-3で終え、2試合トータル4-4となりアウェーゴール差で突破条件を満たした。ホーム&アウェーの戦いについて私は、第1戦は突破条件を作る試合であり、第2戦は突破条件を満たす試合としか考えていないところがあるので、カップ戦の至上命題である突破という結果を残した時点でチームには100点が与えられると思っている。そこから先、どんな要素が試合にあったかでボーナスポイントになり得るものもあるだろうけど、川崎を相手にトータルで勝利したことはチームに自信を与えてくれるのではないかという期待も大きい。

この試合のメンバーは、プレビューの時点でも「単純にユンカーを使うかと言われると・・・」ということを記したように、彼をベンチスタートにする選択だった。これについては試合後のリカルド・ロドリゲス監督が話した内容を紹介したい。

「前回の第1戦、浦和駒場での試合のパフォーマンスがすごく良かったので、そのままのメンバーで戦っていこうと、まずは決断した。第1戦はすごく良かったし、今日の2戦目もそういった形でやっていきたいというのはあったので。

ユンカーは知ってのとおり、ゴールを取る能力がとても優れている選手です。彼はそういった部分の特徴がありますけど、他の選手はまた違った特徴があり、状況によって誰を入れるかは、この180分の戦いの中で見ながら判断しないといなかったので、今回はそういう起用になった。彼は途中から入って、期待にしっかり応えてくれた」。

プレスに加え、右サイドでズレを作って前進していった立ち上がり

まず、突破条件は初戦がホームで1-1だったので、1-0で勝つか2-2以上の引き分けというのが現実的なラインにあっただろう。2-0や3-0というスコアは必ず1-0を経由するので、無失点で進めつつ決勝ゴールを奪うプランと、失点覚悟でも得点を重ねることでレギュレーションを味方につけるというプランがある。この2つがあることは、この試合を見ていく上でとても重要なことだったと思っている。

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