浦レポ by 浦和フットボール通信

WEリーグ開幕戦に逆転勝利 今後もチャレンジングなサッカーを【轡田哲朗レッズレビュー/WEリーグ開幕ベレーザ戦】

(Report by 轡田哲朗)

昨季からの継続性がある強気なサッカー

三菱重工浦和レッズレディースは、12日のWEリーグ開幕戦で日テレ・東京ヴェルディベレーザに2-1で勝利した。前半に先制点を奪われながらも、後半に安藤梢のアシストから菅澤優衣香が同点ゴールを決め、ラスト5分を切ってから塩越柚歩が鮮やかなコントロールショットを決めて逆転勝ちした。

浦和は昨季アマチュア最高峰として開催されていたなでしこリーグで優勝し、ベレーザは言わずもがなで日本女子サッカー界を支えてきた強豪、名門クラブ。この両者を開幕カードにぶつけ、新型コロナウイルスの影響でのチケット販売数上限なども考慮したと見られるとはいえ、東京23区内のスタジアムで開催するというのは、このゲームを目玉にしたいというのが見て取れた。関東ローカルとはいえTV地上波、DAZN、Youtubeと映像で試合を見るにはルートが複数用意されていたので、そのこと自体もスタートアップ感はあった。惜しむらくはその開幕に向けた公開のプレシーズンマッチなどが全くと言っていいほどなかったし、直前の週がインターナショナル・マッチウィークでメディア的にも日本代表の情報がドッと出る中で埋もれやすい状況だったことで、新たなものが始まるという告知という観点で言うと苦戦していた部分もあったのかなというところだった。

それはさておいて、浦和は菅澤がベンチスタートで便宜上は4-4-2のような感じであり、ベレーザは4-3-3のスタートだった。今季から総監督になった森栄次さんがチームを率いるようになってからのベレーザ戦は、このシステムの噛み合わなさをセンターバック1枚が積極的に前ズレすることで解消するマンマーク傾向があり、それはこの試合もあまり変わらなかったので、4-4-2で受け止めるという感じではなかった。また、攻撃も多くの選手がポジションを入れ替えるので、布陣図で言う左サイドハーフの猶本光が右サイドにいることも普通にあった。ただ、その時にボールを奪われるようなことがあっても、誰かが左サイドハーフの役割はするので、それが理由で何かが崩れるようなことにはなっていなかった。

背後への抜け出しに必要な「相対速度」を作ること

前半の立ち上がりにはコーナーキックから良いチャンスも作った浦和だったけれども、徐々にベレーザに押されるようになった。どちらのチームも仕掛けの局面では相手の背後を取りにいく勝負のパスを出す攻撃だったけれども、そのラストパスを出す状況と最終ラインの応対という点ではベレーザの方が良い部分が多く、結果的に浦和の攻撃はシュートまでいかず、ベレーザの攻撃は次々にペナルティーエリア内に侵入することになった。

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