浦レポ by 浦和フットボール通信

神戸にまさかの5失点で大敗 手を焼いた浦和対策【河合貴子 試合のポイント/J31節神戸戦】

(Report by 河合貴子)

まさかの5失点

神戸の選手たちのスキルの高さを、改めて思い知らされる試合になってしまった。コンディション的には浦和が有利のはずであった。神戸は、中2日での試合でスタメンを4選手だけ入れ替えて挑んできた。だが、浦和対策として、大迫選手と武藤選手の2トップにし、4-4-2システムで中盤をダイヤモンドにしてトップ下にイニエスタ選手、アンカーに前節の川崎戦で温存していたセルジ・サンペール選手を起用してきたのだ。

前線から激しくプレスを掛けてDFラインを押し上げてくる神戸に対して、物の見事に神戸の策にはまってしまった。意地の1ゴールは返したが、1-5で大敗。ACL出場権獲得争いする神戸を蹴落とすどころか、悔しいが上位に食い込む踏み台にされてしまった。

試合開始から、コンディション的に厳しいはずの大迫選手と武藤選手がアグレッシブにプレスを掛けて、攻守において神戸が主導権を握っていた。8分、浦和のプレスを避けるように一度GKまでボールを下げた神戸であったが、GKの飯倉選手からクサビの縦パスがスッと郷家選手に入ると、サンペール選手が郷家選手からの落としのパスを左サイドへの酒井高徳選手へ展開すると、そこからの大迫選手のオフ・ザ・ボールの動きが敵ながら素晴らしかった。酒井高徳選手のスルーパスをショルツ選手と競りながらも冷静にゴールへと叩き込み先制点を奪っていた。

追いかける展開になってしまった浦和だが、徐々にボールを支配していくが効果的な崩しができない。そして、21分には直接FKをペナルティーアーク左側の付近で与えしまい、キッカーのイニエスタ選手は「西川選手がちょっと中央よりに寄っているのを観て、ファーの方にチャンスがあると蹴った。実際に西川選手がニアーのポストに動いた。自分のボールの軌道を良かった。チームに勢いをつけるタイミングでゴールを決められて良かった」と満面の笑みを浮かべて話すほど、壁となった小泉佳穂選手の頭を掠めるように綺麗な弧を描いてゴールへと吸い込まれて0-2にされてしまった。

浦和の壁の前に神戸側が蹴るタイミングが分からないように目隠しをする形で選手を配置していたこともあったが、狙い通りにFKを蹴れるイニエスタ選手のクオリティーの高さをまざまざと見せつけられてしまった。

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