浦レポ by 浦和フットボール通信

意地の張り合いで後手を踏んだ前半 ACLを見据える教訓になったもの【轡田哲朗レッズレビュー/J31節神戸戦】

(Report by 轡田哲朗)

直接対決での大敗も、周りが全部負けたのは不幸中の幸い

浦和レッズは2日にヴィッセル神戸と戦ったリーグ第31節のアウェーゲームに1-5で敗れた。3位争いをするチーム内での直接対決だったので、勝ち点が並んでいたところから3ポイント遅れることになった。ただし、周囲を見渡した時に名古屋グランパス、鹿島アントラーズ、サガン鳥栖が全部負けたのは不幸中の幸いであり、むしろ僥倖だと言える。だから、試合結果によるダメージは本当に最小限で済んだ。直接対決に負けたからと言って、浦和の勝ち点は減らないので、4チームが足踏みしたところで神戸だけ勝ったのが、今節全体を見渡した時に言えることだろう。

スタメンはリカルド・ロドリゲス監督が試合前日会見で話していた通りに継続メンバーで、神戸はルヴァン杯の16強で対戦した時の第2戦、浦和駒場スタジアムでの戦いで採用していた中盤ダイヤモンドの様相がある4-3-1-2を今回も採用した。違いはシンプルに2トップのクオリティーが前回の対戦よりも補強によって高まっていることで、浦和もまた中盤から最終ラインにかけてのビルドアップには新加入の選手が多く関わるので、配置やシステムよりも人の入れ替わりが鮮明になった。

ウォーミングアップくらいの負荷には耐えられたピッチだったが、試合が始まって選手たちが本気のプレー、踏み込みを見せだすと完全に掘れた。これは浦和にマイナス要素を与えたが、アウェーなので仕方がない。もしホームゲームでこうなったなら、「スタジアムと協力する何かがあっても」となるかもしれない。ただし、その荒れた芝でボールを安定してコントロールできる質を見せたのは神戸の選手たちだったので、テクニカルな面での差も見えやすくなった。

やりたいことが噛み合う状態で「マウント」を取れるかどうか

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