浦レポ by 浦和フットボール通信

G大阪に手痛いドロー 平野佑一が「もったいない試合」と悔やむも狙いのサッカーが展開できたことに手応え【河合貴子 試合のポイント/J32節G大阪戦】

(Report by 河合貴子)

チャンスを作るが決めきれず

江坂選手のPKが決まった瞬間、勝利を思わず確信してしまった。それが、G大阪に隙を与えてしまうことになるとは・・・。再開キックオフ直後、後方からのロングフィードを佐藤選手がショルツ選手と競り合いながらヘッドでエリア内へと逸らしたところに飛び込んできたパトリック選手のトラップしたボールを必死にクリアーしようとした岩波拓也選手が、ハンドの判定となりPK。パトリック選手のPKを西川周作選手はしっかりとコースを読んでいたものの、無情にもゴールネットが揺れた。本当に劇的なアディショナルタイムでのPKで、勝ち点2を失うことになってしまった。

試合後、静まりかえった埼玉スタジアムでACL出場権獲得を願うバックアッパーに出現した『ASIA』のビジュアルサポートを、黙々と片づける浦和を愛する人々の姿に心が締め付けられる夜であった。この雪辱は、必ずや10月27日にG大阪のホームであるパナソニックスタジアム吹田で開催される天皇杯・準々決勝の舞台で果たすと誓う夜でもあった。

「9月の頃を取り戻す」と快進撃をしていた試合内容を誓ったリカルド・ロドリゲス監督は、内転筋に違和感があるキャスパー・ユンカー選手に無理をさせずにベンチ外とし、前線からの激しいプレスを狙いにして、明本考浩選手をFWで、左サイドバックに山中亮輔選手を起用してアグレッシブな姿勢をみせた。

それに対抗するようにG大阪は、4-4-2でブロックを退いてきたが、試合開始から主導権を握ったのは浦和であった。長短のパスを織り交ぜながら、流動的にポジションを取り攻撃を仕掛けていった。前半に浦和が放ったシュートは、G大阪の3本に対して10本だ。

2分には、江坂任選手が思いきり良いミドルシュートを放ちチームに勢いを付けた。8分には、山中選手のスルーパスに抜け出した江坂選手がゴールライン際からマイナスのクロスを入れようと試みると、9分には江坂選手のスルーパスに今度は汰木康也選手が抜け出してマイナスのクロスを入れ、明本選手がシュートを放った。12分には山中選手のクロスに関根貴大選手が、15分には酒井宏樹選手のクロスに汰木選手がとクオリティーの高い怒濤の攻めを見せるも肝心かなめの先制点が決まらない。

前線から献身的にプレスを掛けて守から攻へと躍動していた明本選手が、35分に負傷交代を余儀なくされてしまい、小泉佳穂選手を投入。江坂選手と小泉選手の『浦和式ゼロトップ』で攻撃を仕掛ける展開となった。

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