浦レポ by 浦和フットボール通信

経験は繰り返しの末に身につくもの 神戸戦と似たような課題【轡田哲朗レッズレビュー/J35節鹿島戦】

(Report by 轡田哲朗)

ユンカーが復帰し、酒井と柴戸は欠場

浦和レッズは7日のリーグ第35節、鹿島アントラーズ戦に0-1で敗れた。普段なら34節で終わるリーグ戦なので、新型コロナウイルスの影響による今季の特別なレギュレーションの最たるものの部分があるが、当然ながらこうした時期のゲームは順位表に対して決定的な意味を持つ。しかしながら、このゲームの浦和が目標を達成できる可能性を残したシーズン終盤に直接のライバルと戦った試合に見えたかどうかというと疑問符が付く。あまりプレビューを引用して「だから言ったじゃないか」という論調にしたくはないけれども、「こうならないようにした方が良い」にかなり近しい形でそうなってしまった面があるように見えた。それは別に、負けたという結果が問題なのではない。負けやすいゲームをしてしまったとは言えるかもしれないが。

このゲームではリカルド・ロドリゲス監督の定例会見で話題に出た負傷者の中からキャスパー・ユンカーは復帰したが、酒井宏樹と柴戸海は欠場になった。出場停止ならともかく、1試合前に負傷した後に直近のゲームを欠場せざるを得ない判断になった選手が、国内での試合ならともかく海外遠征の続く日本代表のゲームに合流していくのは釈然としないが、右サイドバックには西大伍、ダブルボランチの一角には伊藤敦樹が起用された。

プレビューでも記したように、このゲームはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の出場権をリーグ戦の結果で獲得しようと思えば完全なサバイバルマッチであって、引き分けでも共倒れという状況だった。

小競り合いになるような場面もないのは良いことなのか

ただ、そのゲームへの入りは決して良くなかった。平野佑一をセンターバックの間に下げ、伊藤のポジションで相手2トップの位置を誘導して前進していこうという、これまでにもやってきた自分たちのバリエーションの中から1つを選択するのは決して悪くない。そこに相手がサイドハーフをプレスに参加させるようにして3枚に3枚で制限をかけてきたことも、これまでに経験のあることだろう。それに対してサイドを選択肢に持ちつつ、人が出入りしながらボールを引き出すというのは、別に何か悪いことではないし、チームがこれまで積み上げてきたものを出そうとする行為だから、自然な選択肢だった。

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