浦レポ by 浦和フットボール通信

順当な試合でノルマ達成、前線メンバーの傾向と最終戦に期待するもの【轡田哲朗レッズレビュー/ACL2022セーラーズ戦】

(Report by 轡田哲朗)

突破条件を見ながらの選択が垣間見えた選手起用

浦和レッズは27日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)第5戦、ライオンシティ・セーラーズ(シンガポール)戦に6-0で勝利して、勝ち点を10に伸ばした。この組では山東泰山(中国)の最下位が決まっているので、彼らとの対戦成績を除外した勝ち点も7に伸ばし、首位通過を逃しても他グループの経過により2位の中で上位3チームに入ることが決まったので、決勝トーナメント進出が決まった。

ライオンシティは浦和に勝利しても直接対決の成績で上回るには4点差の勝利が必要だった。しかし、浦和戦に負けても最終戦で大邱FC(韓国)に点差関係なく勝てば直接対決の結果で上回り2位になれる。もし浦和が山東に敗れて3チーム並ぶようなことがあっても、3チーム間の対戦成績により浦和が首位、ライオンシティが2位になる。どちらのチームもプロなのだから、そのようなことは試合前に間違いなく計算している。

すでに得失点差が問われる状況が生まれなくなっていた浦和は点差関係なく勝てばいいし、ライオンシティは引き分け以上を取れたらラッキーだけど、最終戦の方が重要だというスタンスでこの試合に臨んでいた。それは、ライオンシティの中でどう見ても最もレベルの高い選手であるマクシム・レスティエンヌがベンチスタートだった時点で理解できるだろう。

リカルド・ロドリゲス監督はアレックス・シャルクを前線に起用することを選択して、小泉佳穂をスタメンに組み込んだ。そして、前のゲームで途中出場して良いプレーをしていた平野佑一をスタメンに入れ、柴戸海とのダブルボランチにすることを選んだ。センターバックは岩波拓也とアレクサンダー・ショルツに1試合を託すことになったが、最低限のリスク管理と最終戦を休ませられることも視野に入れたかもしれない。西川周作の起用もまた、帰国後のリーグ戦を踏まえての試合勘を考慮した可能性もありそうだ。

全体的に良さの出る部分が多かったが、相手も楽をさせてくれた

(残り 3378文字/全文: 4222文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ