浦レポ by 浦和フットボール通信

この勝ち点1の捉え方は目標で変わる 対応への対応が課題に【轡田哲朗レッズレビュー/J第12節柏戦】

(Report by 轡田哲朗)

拮抗した試合展開、平野がスタメンに入って好プレー

浦和レッズは8日にリーグ戦の11試合目、柏レイソルとのアウェーゲームを0-0で引き分けた。試合後に柏のネルシーニョ監督が「拮抗した試合」という言い方をしたように、どちらが勝っても引き分けてもおかしくない試合だった。両チームに決定機と呼べそうな場面が1回ずつしかなかったことからも、引き分けは内容に対してフェアだったと言える。ひと昔、ふた昔くらい前のイタリアだとこういう試合が非常に多く、伝統的にこのような0-0は「均衡のとれた美しさ」なんて表現されることもあったのだけど、浦和の視点で言えば「悪い試合とは言わないけれども勝利には少し足りない」という流れは続いてしまった。

浦和はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の戦いを終えての帰国初戦で4人が負傷離脱中。リカルド・ロドリゲス監督はボランチに平野佑一と柴戸海のコンビを選択して、前線はアレックス・シャルクと江坂任の組み合わせだった。岩尾憲を登録メンバーから外したのはなかなかだなと感じたけれども、平野のプレークオリティーはそれに応えるものだったし、両サイドバックに関してもACLの戦いなどを通じて多くの選手がピッチに立っていたことから不具合と感じるようなところはなかった。センターバックに関しては岩波拓也とアレクサンダー・ショルツにかかる負担が大きくなってしまっていて、6月1日までの厳しい日程の中ではもう1つ選択肢を持ちながらやる必要はありそうに見える。

柏は5-3-2から始めて、後半からハッキリと5-3-1-1に変えた。浦和は前半の形にはうまくやっていたけれども、後半の変化に対しては有効なやり方を出しきれずに終わった感がある。そこは見ていくとして、ACLで大邱FC(韓国)に大会3試合目で0-1と敗れた試合で見られたような、ピッチ内で「対応への対応」をできるかどうかの引き出しという点ではちょっと物足りなさがあったと言えるかもしれない。

手前を餌に背後狙い、相手の間を取りながら前進できた前半

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