浦レポ by 浦和フットボール通信

ハットトリックのユンカーが前半3失点の絶体絶命の窮地からチームを救う【河合貴子 試合のポイント/J11節横浜FM戦】

(Report by 河合貴子)

前半の3失点を後半取り返すも6試合連続の引き分けに

浮上のキッカケを何としてでもつかみたいところであったが、現状の順位が物語っていたように3位の横浜Fマリノスの壁は厚く3-3の引き分けとなり6試合連続の引き分けとなってしまった。しかし、横浜FM戦の引き分けは、これまでの引き分けとは全く意味が違う。前半を終了した段階で、平日の夜に貴重な時間を割いてホーム埼玉スタジアムに駆けつけてくれた浦和を愛する人々に対して申し訳ない気持ちになる内容であった。正直なところ「今日の浦和は終わった」と思ってしまった。攻守においてピッチの中で同じ絵を描くことができる横浜FMを相手に、浦和は個で闘いを挑んでいる印象を受けたほどだった。

試合開始から主導権を握ったのは、アンデルソン・ロペス選手を中心に右に水沼選手、左に宮市選手が張った3トップの横浜FMだ。両サイドバックが高いポジションを取り、セカンドボールもしっかりと収めて厚みのある攻撃を仕掛けてきた。浦和も平野佑一選手が起点となってDFの裏を狙ったり、小泉佳穂選手やアレックス・シャルク選手が攻撃のリズムを作り出すもののなかなかかみ合わない。

12分、宮市選手のヘッドで落とした縦パスに抜け出した小池選手が、素早く送ったグラウンダーのクロスが流れ、ファーサイドから飛び込んできた水沼選手がゴールへと押し込み横浜FMが先制。さらに19分には、宮市選手のクロスにスキルの高さを見せつけたアンデルソン・ロペス選手のヘディングシュートが決まり0-2。

2失点を喫して、なおも横浜FMに主導権を握られ自陣に押し込まれた浦和は、5バックにして守備の修正をかけたのだ。リカルド・ロドリゲス監督は「5枚のディフェンスにして、馬渡、関根が5枚のサイドのディフェンスをすることにして、相手に押し込まれることは少なくなったのかなと思う」と話した。

5バックといっても、攻撃時には関根貴大選手と馬渡和彰選手がワイドのポジションを取るため、岩波拓也選手をセンター、左にアレクサンダー・ショルツ選手、右に明本考浩選手がストッパーとなる3バックだ。だが、30分に宮市選手の狙いすましたインフロントシュートが決まり0-3と突き放されてしまった。

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