浦レポ by 浦和フットボール通信

それはチームの問題か個の質か 1つの指標になるオープンショット率【轡田哲朗レッズレビュー/J16節福岡戦】

(Report by 轡田哲朗)

前進する回数に対して、良い形でシュートまでいく確率は悪い

浦和レッズは28日にリーグ戦の16試合目、アビスパ福岡とのアウェーゲームを0-0で引き分けた。全体で縦に105メートルあるピッチのうち、自陣のゴールラインから75メートル、あるいは85メートルくらいのゾーンはかなり上手くやった試合だったかもしれない。しかしながら、そのラスト20メートル、30メートルのところでは福岡を上回ることができなかった。細かいコメントの全文はこの浦レポ内にあるので参照していただくとして、リカルド・ロドリゲス監督は「1-0なら妥当。2-0ならよくやったと言えるくらいの内容」というニュアンスの話をしていた。別に言葉狩りをする気はないけれども、それだけのエリアで上手くやった試合だったにしてもゴールは生まれても2回だったという感覚が残っているということになる。つまりボールとゲームを支配することに対して具体的な得点チャンスを生みだすコストパフォーマンスのような部分がどうなのかという疑問は、この試合でも残ることになった。

このゲームは25日のセレッソ大阪戦から中2日で、そのゲームで長い時間プレーした選手だと平野佑一と関根貴大がベンチスタート。柴戸海が登録メンバーから外れてスタンドにいたので、彼はこの試合に対する19人目の選手として福岡入りしていたのだろう。一方で、セレッソ戦が負傷交代だったキャスパー・ユンカーは6月の中断明けを目指すことになるとみられる。そして、江坂任はこの試合でもベンチスタートで前線は松尾佑介と小泉佳穂が組んだ。

一方の福岡は長谷部茂利監督が、普段のコンディション重視ではなく「この試合に使いたいメンバーを選んだ」ということだったので、中2日のところで出足の鋭さを出し切れなかった面があることを話していた。それは浦和の前進を少し楽にしたかもしれないし、カウンターの脅威を少し減らしたかもしれない。

運びのスムーズさと松尾の良さ、事故を防ぐちょっとした徹底

浦和は4-4-2ブロックの福岡に対して、大畑歩夢が絞るなり岩尾憲が最終ラインを出入りするなりしながら1列目を突破して、両サイドではアレックス・シャルクと宮本優太がタッチライン際まで幅を取る。それによって福岡を横にストレッチするだけでなく、松尾や2列目に入った明本考浩の裏抜け姿勢によって前後にも引っ張る。結果的に中央の人口密度が下がってボールを安定させつつ前進しやすくなるという点で、ポジティブな意味で25日のセレッソ戦の前半に近いニュアンスがあった。

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