選手層は厚いが狭い 打開策の少なさが浮き彫りになったゲーム【轡田哲朗レッズレビュー/天皇杯3回戦 群馬戦】
(Report by 轡田哲朗)
スタメン11人だけでなく、登録18人のうち17人が同じメンバー
浦和レッズは22日の天皇杯3回戦、ザスパクサツ群馬戦に0-1で敗れた。国内三大タイトルはリーグ戦とルヴァン杯、天皇杯で構成されるが、来季のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)につながるのはリーグ戦と天皇杯であるから、カップ戦の中では優先順位の高いタイトルへ挑戦する権利を失ったと言える。正直なところ、やってはいけない試合を間の悪いところに持ってきてしまったなという印象が強く残った。
以前からも記しているように、ノックアウト方式のカップ戦は負けた時点で0点であって、どんなに他のボーナスポイントをかき集めても最悪な内容で勝利した100点に及ばない。ただ、この試合に関してはその勝敗以外の内容の部分に感じられるボーナスポイントはそれほど多く見えなかった。
リカルド・ロドリゲス監督は18日のリーグ第17節、名古屋グランパス戦に3-0で勝利したスタメン11人と全く同じというだけでなく、ベンチ入りを含めた18人に拡大してもアレックス・シャルクが松尾佑介に入れ替わっただけというメンバーで臨んだ。
一方で、2020年まで浦和の監督を務めた大槻毅さんが率いる群馬は4-4-2をベースにして、状況に応じてサイドで勢いを吸収していく形を取った。最初からベタっと5枚に構えないのは大槻さんが浦和の監督時代にもよくやっていたことで、最終的な局面でサイドハーフやボランチを参加させて人数を補うというやり方だった。
縦に仕掛けているようで、そこに追い込まれている構図
まず、リカさんのメンバー選択からは天皇杯に対して大きなプレッシャーをかけられていると感じられる部分もあった。浦和は他クラブと比較した時に、ACL出場権に対する評価の比重が高い傾向がある。名古屋戦で少なからず良い部分を出したメンバーをそのままピッチに送り込んだのは、そのような側面もあるのではないか。
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