浦レポ by 浦和フットボール通信

勝利を逃してはいけないタイプのゲーム 失点場面は印象と違う面も【轡田哲朗レッズレビュー/J20節京都戦】

(Report by 轡田哲朗)

関根のサイドバック起用は1つのトピック

浦和レッズは6日のリーグ第20節、京都サンガFC戦を2-2で引き分けた。この試合はダヴィド・モーベルグが2回PKを蹴って、1回目を成功して2回目を失敗してしまった。その失敗を含めて6回は決めても良いような場面があり、京都に浦和の失点場面の他に多くの具体的なチャンスがあったかと言えば違うので、勝つべきゲームを落としてしまったと言える。

同じ勝利を逃すにも大きく分けて3つあって、1つは最初からちょっと勝つのは難しいと感じるほど内容に差があるもの。今季で言うと、サガン鳥栖戦なんかがこれにあたる。2つ目はどっちが勝っても負けても引き分けてもおかしくないような試合で勝利以外の結果を引くもの。そして3つ目はこの試合のように、勝利に値するだけの試合をしていながら結果を残すことに失敗したゲームになる。1つ目に関してはチームのクオリティーを示すものだから内容を心配すべきで、3つ目は取るべき勝ち点を逃した代償を感じさせる。2つ目は単に拮抗した面白い試合だ。そして、この京都戦に関して言えば明確に3つ目のパターンだった。

この試合のメンバー的なトピックは関根貴大のサイドバック起用で、これまでのゲームだと途中交代では見たことがあった。あとは、昨季のリカルド・ロドリゲス監督が就任した最初の沖縄県トレーニングキャンプで何回かトレーニングで見たけれども、彼は「やったことがない」と答えたそうなので、あまり本人の印象には残っていなかったようだ。見ていたこちらは「おっ」となる配置なので強く印象に残ったけれども、その辺は選手と周囲の違いなのかもしれない。また、前線には松尾佑介と明本考浩が並んで、基本的には浦和から見て右サイド側で相手と戦う明本と、左サイド側で背後への抜け出しを狙う松尾という分担になった。

京都ボールの配置から弱点になる部分を突く2トップの構成

あまり具体的な細かい実例というよりも大づかみで構図を見ると、京都はハイプレスを身上とするところがあるので浦和の出方が注目された。リカさんは無理に戦わないことを選択したので、浦和よりも京都の方がボールを持つ展開になった。京都もボールを渡されることを嫌がるわけではなく、曺監督がマイボールも相手ボールも「どっちもできなきゃダメ」という趣旨のことを話していたように、ボールを投げ捨て合う展開にはならなかった。そのため、どちらかと言えば京都の方が4バックからの変化でポジショナルプレーの要素を作りながら浦和陣内に入っていくことになった。

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