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日本フットサル界の父” ミゲル・ロドリゴ現ベトナム代表監督に 独占インタビュー

2016年は、ベトナムフットサル界にとって、まさに飛躍の一年となった。昨年2月、AFC フットサル選手権の準々決勝で日本を PK 戦の末に下し、アジアのベスト4に入ったベトナム代表チームは、初出場となったW 杯でも、いきなりベスト16に進出。そんな成長著しいベトナム代表チームに今年 6月から就任したのは、スペイン人のミゲル・ロドリゴ監督。かつて日本代表を 7 年にわたり指揮して、2 度のアジア王者に導いた名将だ。今回は、世界とアジアを熟知したミゲル監督に、ベトナムフットサルの現状について語ってもらった。

※この記事はフリーペーパー「VINABOO」2017年11月号に掲載されたインタビュー記事を転載したものです。

日本代表、タイ代表の監督を経てベトナム代表監督に就任

Q: ベトナム代表監督に就任する以前、監督は日本やタイの代表チームを指導していました。それぞれの国のフットサルを取り巻く環境について、どんな印象をお持ちですか ?

ミゲル「日本は、サッカーもフットサルも協会を中心にとても組織化されていて、インフラも整っています。タイは強豪国ですが、昨年からフットサルがサッカー協会の管轄下になったばかり。ベトナムは、サッカー連盟(VFF)とチャン・アイン・トゥ氏(VFF フットサル委員長) が協力しながら組織運営しており、近年、急成長を遂げています。」

Q: 選手のレベルではどうでしょう ?

ミゲル「日本には優れたF リーグがあり、実力はアジアトップクラス。多くの外国人指導者や選手がいて、フットサルの成長に貢献しています。クラブ選手権で名古屋がアジア王者になったことで、選手たちも自信をつけました。タイの選手は、ストリートで鍛えられていて、創造性豊か。将来的にアジア王者になる可能性を秘めています。ベトナムは、まだ長期のリーグ戦がなく、外国人の指導者も選手もいません。これは大きな問題で、日本とタイに後れを取っています。」

Q: 監督は、日本代表時代にベトナムと何度も対戦してきました。対戦相手としてのベトナムはどんなチームでしたか ?

ミゲル「ベトナム代表は、タイのパタヤ監督、イタリアのセルジオ監督、スペインのブルーノ監督と指揮官が交代し、技術、戦術あらゆる面で、成長してきました。日本代表を率いていた2009 年当初、ベトナムに勝つのは簡単なことでした。しかし、対戦するたびに差が縮まっていき、最後に対戦した 2016 年のAFC フットサル選手権では、ベトナムが驚異的な粘り強さをみせて、延長戦、PK 戦までもつれ込み、結局、日本が負けました。」

Q: ベトナム代表は、AFC フットサル選手権2016 でミゲル監督が率いた日本代表を下し、日本の W 杯連続出場を阻止した相手です。ベトナムからオファーを受けた時、率直にどう感じましたか ?

ミゲル「オファーをくれたトゥ氏とは、ずっと以前からの知り合いです。前任のブルーノ監督のことも当然知っていました。彼らとは、友人であり、よきライバルという関係。だから、オファーをもらったときは、とても嬉しかったです。もちろん、ベトナムに負けたことは大きな失望でしたが、それもスポーツです。」

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