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Vリーグ2019第6節、発煙筒煙る中ハノイが逆転勝ちで2位堅持、次節はHCMCとの首位攻防戦

Vリーグ2019は4月21日に第6節の試合が各地で行われた。連覇を狙う王者ハノイFCはホームに難敵ハイフォンFCを迎えての一戦。国内随一と言われる過激なサポーターを持つハイフォンは、この日もサポーターたちが禁止されている発煙筒を焚いて次々とピッチに投げ入れたため、観客席やピッチのいたるところで白煙が立ち込める異様な雰囲気の中での試合になった。しかし、試合はハノイがリーグ歴代最多得点記録を持つFWホアン・ブー・サムソンとベトナム代表の若き王様であるMFグエン・クアン・ハイの活躍により、3-1の逆転勝ち。相手サポーターのプレッシャーに臆することなく、ハノイが貫禄の勝利で勝ち点を14に伸ばして2位をキープした。

ハイフォンにとってハノイの本拠地ハンダイ・スタジアムは鬼門とされており、チュオン・ベト・ホアン監督は勝ち点1を目標に掲げて、この試合に臨んだ。ハイフォンは得意の堅守速攻でチャンスをうかがい、一方のハノイはいつも通りボールを回しながら、じっくりと得点機会をうかがった。

主導権を握ったハノイだったが、守護神ダン・バン・ラムが抜けたものの、依然としてリーグ屈指と言われる守備陣を誇るハイフォンのゴールをこじ開けるのは容易ではなかった。試合は膠着状態が続き、ハノイは前半終盤に交代のカードを切って、MFファム・タイン・ルオンを投入する。ベテランの域に差し掛かった同選手は、このところベンチスタートが多くなっているが、過去にリーグMVPを最多4度も受賞した国内屈指の技巧派だ。すると、このタイン・ルオンが早速、見せ場を作る。ドリブルで持ち込んだタイン・ルオンのシュートがペナルティエリア内で相手DFのハンドを誘ってPKを獲得。しかし、キッカーを務めたFWオマルのシュートは、ハイフォンの新守護神グエン・バン・トアンが素晴らしい反応でファインセーブ。その後も互いに決定機を作ったが、両チーム無得点で前半を折り返す。

後半に入ると、ハイフォンが次々とフレッシュな選手を投入して反撃に出る。56分にはCKのチャンスからハイフォンが先制。ここまではハイフォンの狙い通りの展開となったが、王者ハノイはそれほど甘い相手ではなかった。ギアを切り替えて分厚い攻撃を仕掛けるハノイは63分に獲得したPKを今度はFWサムソンがきっちり決めて同点に追いつき、74分には再びタイン・ルオンが起点となって、最後はサムソンが頭で決めて逆転。さらに、試合終了間際に相手DFの一瞬の隙を突いてボールを奪ったMFグエン・クアン・ハイがそのまま攻め上がって左足の強烈なシュートでゴールネットを揺らしてダメ押しの3点目。試合はハノイが3-1で鮮やかな逆転勝利を収めて2位をキープ。次節はいよいよ首位ホーチミン・シティ(HCMC)との首位攻防戦だ。ホームで戦うハノイは、この試合に勝てば今季初めて首位に浮上する。

なお、同日行われたこの他の試合では、クアンナムFCがホームでホアン・アイン・ザライ(HAGL)に3-0で大勝して今季初勝利。終盤に互いに退場者が出て荒れた試合となったナムディンFCとベカメックス・ビンズオンの試合は、ホームのナムディンが1-0で競り勝った。

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