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ベトナムサッカー回顧録、戦争終結後の南北統一親善試合で決めた歴史的なゴール

ベトナムは去る4月30日に44回目の南部解放記念日(1975年4月30日-2019年4月30日)を迎えた。地元メディアはこれを記念して、ベトナム女子代表を率いるマイ・ドゥック・チュン監督(68歳)にインタビューを行った。同氏は南北統一後にそれぞれの代表チームが初めて親善試合を行った際、最初にゴールを挙げた選手として知られている

“戦争は終わった。これから我々の祖国は一つだ”

-あなたが指導者として、ベトナム女子代表チームを率いて数々の成功を収めていることは多くの国民が知っています。しかし、70年~80年代にセーカー・ハノイでプレーしていた現役時代を知る人は少ないです。当時のことを聞かせてもらえますか?

「話は1965年まで遡る。私はトゥ―ソン・スポーツ文化学校に入学して訓練を始めた。しかし、しばらくすると学校は活動停止の命令を受けた。何人かの選手は訓練センターに行き、私はスポーツ訓練大学で練習を続けた。卒業後は自動車工場のサッカークラブからの要請で入団した。当時の名選手であるブイ・ギエン氏が学校に来て直接オファーをくれた。1975年にクラブが解散するまでプレーして、その後は鉄道総局のサッカークラブに移籍した。」

-当時の練習環境は現在とはずいぶん違ったのでしょうね?

「当時は今のように2部練は出来なかった。全員が午前は働いて午後から練習していた。週3回しか練習できないときもあった。そんな時期は選手たちで自主的にコンディションの維持をしていた。大会があると1か月前から準備していたが、大会がないときは仕事の毎日だった。」

-80年代、90年代と違って当時は南部がアメリカの占領下にあり、南部の景色を見ることすらできませんでした。44年前にベトナム戦争が終結して南部が解放されましたが、当時を経験した立場からどのように感じていますか?

「1975年4月30日に南部解放の一報が届いた。北部にいた人々は、子供も大人も通りに出て旗を振りながら祖国統一の歓喜に沸いた。誰もが幸福を感じて興奮していた。個人的には、1975年は幸せな瞬間を目撃したと思っている。ベトナムという国が何か重いものから解き放たれた、そんな感じがした。これから祖国は一つ、南北の人々は共にある、もう分断の時代は終わりを迎えたのだ。」

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