ベトナムフットボールダイジェスト+

第2回「ベトナム日本国際ユースカップU-13」大会2日目&3日目レポート、地元ビンズオンが初優勝、川崎Fは惜しくも準優勝

2017年・2018年にJ1リーグを連覇した川崎フロンターレが主体となって企画する「ベトナム日本国際ユースカップU-13が2019年12月20日から22日までベトナム東南部ビンズオン省で開催された。J1川崎フロンターレとベトナム1部ベカメックス・ビンズオンFCは、2013年に開催したトップチーム同士の国際親善試合を皮切りに、下部組織や指導者間の交流を毎年行っている。日越外交関係樹立45周年となった昨年、2クラブの枠を超えて、日越からそれぞれ4チームが出場する国際トーナメントに発展し、今年は第2回目の開催を迎えた。

今回は大会2試合目と3日目の模様を紹介していく。初日に続き、灼熱の太陽の下で行われた大会2日目には、グループリーグ最終節と準決勝が実施された。準決勝第1試合では、地元ベカメックス・ビンズオンがジュビロ磐田に2-0で勝利。準決勝第2試合では川崎フロンターレがガンバ大阪に1-0で競り勝って決勝に駒を進めた。川崎は2大会連続の決勝進出。

2日目の夜には、ビンズオン新都市サッカー場に近接する「hikari」前のスペースにて、クリスマス&サッカーフェスティバルが開催された。「hikari」は、ベカメックス東急が手掛ける商業施設案件で、日系、中華系、ベトナム系の飲食店が入居している。今回のフェスティバルには、入居店舗や日越国際ユースカップのスポンサーを務めた企業がブースを出展。この他、特設ステージでは、地元学生によるダンスコンテストとカラオケ大会、現地で活動する日系チア教室やご当地アイドルによる公演などが行われ、会場の雰囲気を盛り上げていた。また、サッカー場では、JCB協賛による地元児童を対象としたサッカー教室も開催され、川崎フロンターレのコーチやビンズオンの現役プロサッカー選手が子供たちを直接指導した。


最終日となった3日目の午前には、順位決定戦と決勝戦が行われ、連戦で疲れが見える中、各チームともに最後の力を振り絞って最後の1秒まで懸命に戦う姿が印象的だった。大会のハイライトとなった決勝戦は、ビンズオンが立ち上がりに先制した後、川崎が徐々に主導権を握って前半のうちに同点に追いついた。後半は一進一退の攻防となり、均衡状態が続いたが、試合終了間際にビンズオンが勝ち越しゴールを決めて2-1で初優勝を決めた。死力を尽くした川崎イレブンはホイッスルが鳴ると同時に倒れこんだが、ビンズオンの選手たちの手を借りて立ち上がると、すぐに整列に加わり、応援してくれた観客に挨拶。試合後は川崎とビンズオンの選手たちが互いの健闘を称え合った。


午後には、今大会最後の試合となる日越オールスター戦を開催。この試合はベトナム国営テレビ「VTV6」で全国に生中継された。急造チームの上、疲労も溜まっているため、どちらも攻めあぐねる展開。試合は後半に入って日本選抜が先行したが、終盤にベトナム選抜が追いついて1-1で既定の50分を終了し、そのままPK戦に突入。PK戦は日本選抜が3人連続で失敗したのに対し、ベトナム選抜は3人連続で成功して、オールスター戦はベトナム選抜に軍配が上がった。


この試合を見守ったU-19ベトナム代表監督のフィリップ・トルシエ氏は、「今回の大会では、特定の選手の名前をあげませんが、トーナメントを通して、越日ともに、この中から、将来、両国の代表選手となるような選手が登場することを強く感じました。彼らがひたむきに、サッカーへの情熱を持ち続けること、そして彼らの努力を支え、育成の支援をし続けることが大切だと感じました」と語った。

優勝:ベカメックス・ビンズオンFC
準優勝:川崎フロンターレ
3位:ガンバ大阪
4位:ジュビロ磐田
5位:PVF
6位:東急SレイエスFC
7位:SHBダナンFC
8位:ハノイFC

最優秀選手賞:Cao Hoang Hai(ビンズオン)
ベストGK:道管陽斗(ガンバ大阪)
得点王:Nguyen Gia Huy(PVF)、Nguyen Dang Huy(ビンズオン)

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ