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Vリーグ2020戦力分析、サイゴンFCは新オーナーのもとで臨む初シーズン

サイゴンFCは新しいオーナーを得て、心機一転で2020シーズンに臨む。しかし、新シーズンが順風満帆かと言えば、そう語るのは時期尚早だ。戦力面の不安はまだ払しょくできていないのだから。

組織改革で生まれ変わったサイゴンFC

首都を置く北部ハノイから南部の商都ホーチミン(旧サイゴン)に移転して、ハノイFCからサイゴンFCに改称したのは今から4年前。今シーズンからは、クラブ運営が新しいオーナーのもとで行われることになり、資金的にも若干の余裕が生まれた。戦力的に安定しなかった過去数シーズンのサイゴンFCは、常に1部残留を目標に戦っていたが、今オフに行われたクラブ内組織の改革は、クラブが今後上位争いが出来るような強豪に生まれ変わるための準備といえる。

とはいえ、それは将来的な話。開幕が間近に迫った2020シーズンは、やや心もとない戦力で戦わなければならない。新指揮官に就任したホアン・バン・フック監督は、堅実なチーム作りで定評があるが、サイゴンFCは今オフに積極的な補強を行っておらず、既存戦力を如何にうまく使っていけるかが重要になる。

戦力面に大きな変化なし、まずは1部残留を

新戦力を見てみると、2部ロンアンFCからDFフイン・タン・タイが加入。元U-23代表の攻撃的な右サイドバックだが、その後は伸び悩んでおり、本人の希望もあって、育ったロンアンFCを飛び出し、サイゴンFCで新しい環境に身を置くことになった。2部ホンリン・ハティンから獲得した若手GKズオン・トゥン・ラムは、国際親善試合で活躍したものの、即戦力とは言い難い。最も期待されている新戦力は、190cmの韓国人DFアン・ビュンギョンだが、本当の意味でチームの信頼を得るには、公式戦で実力を示す必要がある。

新戦力に大きな期待が持てない一方で、昨季の主力のほとんどが残留。特にサイドと中盤には個性豊かな選手が揃っており、攻守がうまく噛み合えば面白いチームだ。既存戦力が本来の実力を発揮すれば、降格圏に沈むことはないだろうが、クラブ間のレベルが拮抗しているVリーグでは安心することは出来ない。特に、中位から下位の差は小さく、連敗すれば一気に順位を落としてしまう危険がある。まずは大きな連敗をしない安定感のあるチーム作りが大切。それが出来れば、おのずと1部残留という結果はついてくるだろう。

サイゴンFC
監督:ホアン・バン・フック
本拠地:トンニャット・スタジアム(SVD Thong Nhat:1万6000人収容)
昨季成績:5位
戦力評価:C
今季予想:5位

移籍選手
OUT:
FWグスタボ(フリー)、GKグエン・バン・ホアン(SLNA)、MFチン・クアン・ビン(フリー)、MFチャン・チュン・ヒエウ(※ウガンダ出身、タンクアンニン)
IN:
GKズオン・トゥン・ラム(ハティン)、MFグエン・ミン・チュン(HCMC)、DFアン・ビュンギョン(※韓国)、DFフイン・タン・タイ(ロンアン)

今季所属選手
GK:
トン・ドゥック・アン、ファム・バン・フォン、ズオン・トゥン・ラム
DF:
グエン・アイン・ブー、グエン・ナム・アイン、チン・ドゥック・ロイ、グエン・タイン・トゥ、グエン・クオック・ロン、グエン・バン・ゴー、ダオ・フン・フォン、レ・タイン・フォン、アン・ビュンギョン(※韓国)、フイン・タン・タイ
MF:
チャン・バン・ブー、グエン・ゴック・ズイ、グエン・ブー・ティン、グエン・ミン・チュン、レ・クオック・フオン、ブイ・チャン・ブー、カオ・バン・チエン、タン・タイン・ティン、グエン・バー・ズオン、ゴー・スアン・トゥアン、グエン・フー・ソン、ジョバネ・マグノ(※ブラジル)
FW:
グエン・ディン・バオ、ペドロ・パウロ(※ブラジル)

開幕5試合の対戦カード
サイゴン(H)-SLNA
SHBダナン-サイゴン(A)
サイゴン(H)-ビンズオン
HCMC-サイゴン(A)
HAGL-サイゴン(A)

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