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Vリーグ2020戦力分析、国民的クラブHAGLは変革なければ今季も残留争い

ベトナム代表のスター選手を数多く擁しながらも毎年残留争いを強いられている人気クラブのホアン・アイン・ザライ(HAGL)。ドアン・グエン・ドゥック会長はメディアに対して「HAGLは楽しみのためにサッカーをする」と度々語っているが、それだけではこのチームがリーグ優勝出来ないことはもはや明白だ。

スター集団も残留争いの常連。課題は守備のテコ入れ

HAGLは昨季リーグ2位の45得点を挙げており、攻撃力だけで見れば、上位争いをしてもおかしくない実力だが、失点数もリーグワースト2位の46失点を喫しており、最終的な成績はリーグ8位となった。それでも過去数シ―ズンでは健闘した方と言えるが、守備の不安定さは相変わらず。ダークホースとして見れば面白い存在だが、スター選手揃いのHAGLは、もっと上を目指してもらわなければならない。

HAGLはシーズン終了後、長年の課題である守備力強化に着手し、ソンラム・ゲアン(SLNA)からセルビア人DFダミル・メモヴィッチを獲得。さらに、米国出身の越僑DFスティーブ・ダンと元-23ベトナム代表GKチャン・ブー・ゴックを補強した。中盤では、ボランチを主戦場とするナイジェリア人MFケリー・ケスターを補強して守備力はかなり強化された。ケリーの加入により、MFグエン・トゥアン・アインの守備面での負担が軽減され、より高い位置でプレーして持ち味を生かすことが出来るだろう。

新戦力には190㎝超の長身選手が多く、高さでも優位に立った。HAGLは今季のチーム平均身長がリーグ最高となり、セットプレーは大きな武器になりそうだ。一方、前線には大きな補強は見られない。昨季7ゴールの活躍を見せたジャマイカ人FWシェボーン・ウォルシュと契約を更新したことぐらいだ。

HAGLは今オフのプレシーズン大会に立て続けに出場して戦力強化を図っている。韓国人指揮官のイ・テフン監督は「新加入の選手たちもチーム戦術に馴染んできた。チーム全体での守備戦術を徹底させて、弱点克服に取り組みたい」と語った。

攻撃的なパスサッカーを標榜して、ベトナムサッカーに新風を巻き起こすと期待されたHAGL-JMGアカデミー出身の1期生と2期生たちも既に24~25歳となり、もはや若手とは言えない年齢。一つのタイトルも獲れない期待外れのシーズンはそろそろ終わりにして、勝つためのチーム作りに移行すべき時期が来ている。

ホアン・アイン・ザライFC
本拠地:プレイク・スタジアム(SVD Pleiku:1万2000人収容)
監督:イ・テフン
昨季成績:8位
戦力評価:C
今季予想:11位

移籍選手
OUT:
DFファム・ホアン・ラム(ハティン)、DFレ・バン・ソン、DFレ・ドゥック・ルオン(HCMC)、FWディン・タイン・ビン、MFチャン・タイン・ソン(CAND)、DFタン・タン・トアン(フリー)、GKシェツマ、キム・ボンジン、マーティンス(フリー)
IN:
DFメモヴィッチ(SLNA)、DFスティーブン・ダン(フリー)、MFケリー・ケスター(フリー)、GKチャン・ブー・ゴック(フォーヒエン)

今季所属選手
GK:
チャン・ブー・ゴック、レ・バン・チュオン、ファム・フー・ギア
DF;
グエン・フー・アイン・タイ、メモヴィッチ(※セルビア)、チュオン・チョン・サン、ブー・バン・タイン、スティーブン・ダン(※米国出身)、ア・ホアン、ズン・クアン・ニョー
MF:
チャウ・ゴック・クアン、グエン・トゥアン・アイン、ルオン・スアン・チュオン、チャン・ミン・ブオン、グエン・フォン・ホン・ズイ、グエン・カイン・アイン、チャン・バオ・トアン、グエン・キエン・クエット、チエウ・ベト・フン、ケリー・ケスター(※ナイジェリア)
FW:
グエン・バン・トアン、グエン・バン・アイン、ブー・ミン・ヒエウ、ウォルシュ(※ジャマイカ)

今季開幕5試合の対戦カード
HAGL(H)-タンクアンニン
ハノイ-HAGL(H)
HAGL(H)-ナムディン
HAGL(H)-サイゴン
SHBダナン-HAGL

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