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新型コロナを封じ込めたベトナムでカップ戦が開幕、世界が注目する理由とは?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延で開幕が延期となっていたベトナムカップ2020(Bamboo Airways‐Vietnam Cup 2020)の初戦が5月23日~25日の日程で全国各地で開催される。中でも注目を集めているのは、5月23日に唯一行われるDNHナムディンFCとホアン・アイン・ザライ(HAGL)の試合だ。この試合は、ベトナムにとってコロナ明けで最初の試合であり、今シーズン初めて一般観客をスタジアムに迎えて行われる試合。

ナムディンFCのホームであるティエンチュオン・スタジアムは収容能力3万人で、昨シーズンの1試合当たり平均観客動員数はリーグトップの1万5000人余り。ベトナムカップの大会実行委員会は安全のため、入場者数を最大1万人に制限すると発表した。コロナ明けの注目の試合、さらに相手がベトナム代表を揃えたスター集団のHAGLとあり、数千人~1万人規模の観客がスタジアムに詰めかけると予想される。

開幕戦のチケットを求めるファンたち。

世界中で新型コロナが蔓延する中、感染者3万人超、死者約150人を出しているベラルーシはリーグ戦の続行を決断。同リーグの1試合観客動員は2000~3000人で、サポーターたちは社会的距離を保って試合観戦をしていた。

直近では、ドイツのブンデスリーガが再開したほか、韓国のKリーグも開幕を迎えたが、いずれも当面は無観客試合での開催となる模様。試合を盛り上げるための苦肉の策だったのか、FCソウルは開幕戦でアダルトグッズのラブドールと見られる人形を無人のスタンドに置いたことで、リーグ史上最高額となる1億ウォン(約876万円)の罰金を科された。

一方のベトナムでは、政府の迅速な対応により国内の感染拡大が抑えられており、これまでの累計感染者数は324人、うち8割以上が回復済みで、死者は1人も出ていない。既に1か月以上も市中感染による新規感染者発見の報告はなく、こうした状況から大会実行委員会はベトナムカップ開幕戦に観客を迎え入れることを提案し、政府と自治体もこれを許可した。

5月23日に行われるベトナムカップ2020の開幕戦、DNHナムディンFCとHAGLの試合は、最大で1万人の観客が入ることが許されており、現時点で世界で最も観客が入るサッカーの試合として注目されている。

間もなくプロサッカーがある日常が戻ってくるベトナム。新型コロナの封じ込めに成功し、いち早く観客を迎え入れた状態で国内大会を再開させた国として、世界にその存在を大いにアピールできることだろう。なお、国内リーグのVリーグ1も6月5日に再開予定だ。

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