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Vリーグ観戦記、南北ダービーはハノイが3発完勝も中盤の要ドー・フン・ズンが右脚骨折で今季絶望 視察で訪れたベトナム代表パク・ハンソ監督が激怒して携帯破壊

Vリーグ1-2021第5節ホーチミン・シティ(HCMC)とハノイFCの試合が3月23日にホーチミン市トンニャット・スタジアムで開催された。前節のダービーでサイゴンFCを1-0で退けたHCMCが、2連勝で調子を上げてきた優勝候補ハノイをホームで迎え撃ったこの試合でショッキングな出来事があった。ハノイの中盤の要であるドー・フン・ズンがHCMCのゴー・ホアン・ティンのタックルを受けて右脚を骨折してしまったのだ。

前半28分、相手陣でボールを受けたドー・フン・ズンがドリブルで切り込もうとした際、切り返しで踏み込んだ右脚にゴー・ホアン・ティンのスライディングタックルが直撃。足裏からもろにタックルを受けた瞬間、骨が折れる大きな音がスタンドに響き渡り、スタジアム全体が騒然となった。

ドー・フン・ズンは2019年のゴールデンボール受賞者(年間MVP)であり、ベトナム代表の中心選手。ピッチで倒れこんだ同選手は、そのまま救急車で病院に緊急搬送されたが、応急処置を受けている段階でも同選手のワールドカップ・アジア2次予選出場が絶望的になったことは誰の目にも明らかだった。視察で訪れていたベトナム代表パク・ハンソ監督は、この惨劇を目の当たりにして激怒し、持っていた携帯電話を叩き壊すほど乱心した。

ファウルを犯したゴー・ホアン・ティンは一発退場。顔面蒼白となり、救急車の中に運び込まれたドー・フン・ズンに謝罪の言葉を述べた。このアクシデントで試合は長く中断。特にHCMCの選手たちは浮足立っていた。ドー・フン・ズンのためにも絶対に勝ちたいハノイは再開後の最初プレーとなったセットプレーからDFドー・ズイ・マインが先制ゴール。前半を1点リードで折り返す。

後半も数的優位のハノイが主導権を握る展開。立ち上がりに相手守備陣の連係ミスを突いてエースストライカーのグエン・バン・クエットが追加点を奪うと、56分にも新加入のブラジル人FWジョバネ・マグノがダメ押しの3点目。終わってみれば、ハノイの3発圧勝となったが、この試合ではドー・フン・ズンだけでなく、前半10分でブラジル人FWブルーノ・クーニャも足の違和感で早々に交代しており、ハノイに故障者が続出。中盤の王様グエン・クアン・ハイも旧正月明けから怪我で欠場、守備の要チャン・ディン・チョンも故障明けでコンディションが上がっておらず、苦しい台所事情となっている。

なお、ドー・フン・ズンを診断した医師によると、同選手は脛骨と腓骨の骨折で全治6か月以上とされている。同選手はホーチミン市に留まり、3月24日に手術を受け、90分に及んだ手術は無事に成功した。

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